[タイトル]
承認とモチベーション -実証されたその効果-
[著者]
太田 肇
[出版社]
同文館出版
[出版年]
2011年
[ノートor原著情報]
[要約]
[感想]
まあ、結局は承認を与えることがモチベーションにつながるよ、ということを細かくアンケートを取って調べましたという話。
主張自体はそれほど目新しくない。Pinkのモチベーション3.0とほぼ同じ。
アンケートを取った対象は中々興味深い。
特に、公共企業A、病院D、Eというもの。
このあたりは今後に使えそうかも。
こういう調査で常々思うのは、
本当は
「潜在能力としては同じなんだけど、方や承認が得られている群であり、もう一方は承認が得られていない群である」
という形で統制した上で、
パフォーマンスなり、モチベーションなりを評価しないといけないと思う。
でないと、「結局は潜在能力があるからこそ承認も得られるし、モチベーション(特にこの本では自己効力感)も高くなっている」し、「潜在能力がそもそも低いからこそ、承認も自己効力感も低い」という反論を受けえる。
2014年1月14日火曜日
2014年1月10日金曜日
主なき安全〜リスクアセスメントの暴走〜
[タイトル]
主なき安全〜リスクアセスメントの暴走〜
[著者]
濱田 勉
[出版社]
労働調査会
[出版年]
2010年5月
[ノートor原著情報]
[要約] [感想]
非常にわかりやすく現場での安全管理とリスクアセスメントの進め方について書いてくれている。
特に、リスク・ハザード・デンジャーなどの概念の整理は大学で教えるのにも引用できそう。
要するに、
危険源(ハザード)は物理的に特定できるもの。高い位置にいれば、墜落が生じる。電気をいじるのであれば感電が起こりえる。強いトルクがあれば、巻き込まれが起こりえる。大きな質量が動いていれば、押し潰される。早く動くものがあれば、衝突が起こりえる。など。
危険源の存在を消すのが「本質安全」と呼ばれるものである。
その危険源の存在に対して、人が接近している時に「危険な状態」となる。
その「危険な状態」にあるからと言って、必ずしも危険事象がおこるとは限らない。
ここで危険事象とは「墜落」「感電」といった想定される危害に直接つながる事象が起こっている状態である。
危険な状態にあるからといって、必ずしも危険事象が起こるとは限らない。
「足を滑らす」「注意がそれる」といった確率的に起こりえることによって危険な状態から危険事象になる。
さらに、危険事象が起こっても、危害に対しての回避策が設けることができることもある。回避策でも回避できなかった場合に危害にいたる。
つまり、
・危険源に対して人が接近する(危険源にさらされる)可能性と、
・危険源にさらされている状態において実際に危険事象につながる事象が起こる可能性、
・危険事象が起こった時に実際の危害の発生の回避に失敗する可能性
の3つの可能性の組み合わせと、
生じた危害による損失の大きさ
とを組み合わせたものがリスクという概念である。
あくまで確率であり、本質安全にできないのであれば、かならずそこには例えわずか出会ったとしても「事故」の可能性は残る。それが残存リスク。
残存リスクについては、突き詰めれば作業者本人がそこにリスクがあることを十分に承知して注意を向けておかないといけない=重点管理が必要ということ。
また、リスクアセスメントを進める上では、作業の手順(マニュアルというより、実際の手順)を時系列で考えていくべきというのも納得。
正直、もっと「破廉恥」なコトがかかれていることを期待したが、思いの外、素直な本だった。さすがに労基署監督官として色々な現場を見ているだけのことはあるという感じ。
ただ、基本的に製造現場・建設現場の話。
ただ、思うんだけど、、、
こういうリスクアセスメントは「いつやるの?」というのがすごく難しい。
あと、一回やったらしまいなの?という話もある。
さらには、現実にはリスクアセスメントに参加したメンバは、その過程で色々なリスクに気づいて安全意識が高まるだろう。
しかし、一回やってしまって、其の時に管理をキチンとしたとして、人が入れ替わったりすると、どうするのか?教育でカバー?さて、そんなことができるのか?
結局のところは、リスクアセスメントはシステム改変にはつながっても、人を主役に見た時には「静的」なシステムにしかならず、「システムに従えばよい」という人の対策しかならない。
もちろん、しないよりはしたほうがよくて、実際にリスクアセスメントによって保安度は高まるとは考えられる。
主なき安全〜リスクアセスメントの暴走〜
[著者]
濱田 勉
[出版社]
労働調査会
[出版年]
2010年5月
[ノートor原著情報]
[要約] [感想]
非常にわかりやすく現場での安全管理とリスクアセスメントの進め方について書いてくれている。
特に、リスク・ハザード・デンジャーなどの概念の整理は大学で教えるのにも引用できそう。
要するに、
危険源(ハザード)は物理的に特定できるもの。高い位置にいれば、墜落が生じる。電気をいじるのであれば感電が起こりえる。強いトルクがあれば、巻き込まれが起こりえる。大きな質量が動いていれば、押し潰される。早く動くものがあれば、衝突が起こりえる。など。
危険源の存在を消すのが「本質安全」と呼ばれるものである。
危険源に対して人を接近させないようにするのが「スレットの回避」である。
その「危険な状態」にあるからと言って、必ずしも危険事象がおこるとは限らない。
ここで危険事象とは「墜落」「感電」といった想定される危害に直接つながる事象が起こっている状態である。
危険な状態にあるからといって、必ずしも危険事象が起こるとは限らない。
「足を滑らす」「注意がそれる」といった確率的に起こりえることによって危険な状態から危険事象になる。
さらに、危険事象が起こっても、危害に対しての回避策が設けることができることもある。回避策でも回避できなかった場合に危害にいたる。
つまり、
・危険源に対して人が接近する(危険源にさらされる)可能性と、
・危険源にさらされている状態において実際に危険事象につながる事象が起こる可能性、
・危険事象が起こった時に実際の危害の発生の回避に失敗する可能性
の3つの可能性の組み合わせと、
生じた危害による損失の大きさ
とを組み合わせたものがリスクという概念である。
あくまで確率であり、本質安全にできないのであれば、かならずそこには例えわずか出会ったとしても「事故」の可能性は残る。それが残存リスク。
残存リスクについては、突き詰めれば作業者本人がそこにリスクがあることを十分に承知して注意を向けておかないといけない=重点管理が必要ということ。
また、リスクアセスメントを進める上では、作業の手順(マニュアルというより、実際の手順)を時系列で考えていくべきというのも納得。
正直、もっと「破廉恥」なコトがかかれていることを期待したが、思いの外、素直な本だった。さすがに労基署監督官として色々な現場を見ているだけのことはあるという感じ。
ただ、基本的に製造現場・建設現場の話。
ただ、思うんだけど、、、
こういうリスクアセスメントは「いつやるの?」というのがすごく難しい。
あと、一回やったらしまいなの?という話もある。
さらには、現実にはリスクアセスメントに参加したメンバは、その過程で色々なリスクに気づいて安全意識が高まるだろう。
しかし、一回やってしまって、其の時に管理をキチンとしたとして、人が入れ替わったりすると、どうするのか?教育でカバー?さて、そんなことができるのか?
結局のところは、リスクアセスメントはシステム改変にはつながっても、人を主役に見た時には「静的」なシステムにしかならず、「システムに従えばよい」という人の対策しかならない。
もちろん、しないよりはしたほうがよくて、実際にリスクアセスメントによって保安度は高まるとは考えられる。
2014年1月9日木曜日
ノットワーキング 結び合う人間活動の創造へ
[タイトル]
ノットワーキング 結び合う人間活動の創造へ
[著者]
山住 勝広、ユーリア・エングストローム 編
[出版社]
新曜社
[出版年]
2008年
[ノートor原著情報]
[要約]
[感想]
特に後半はなぜこの本に入っているのか分からない。
正直、ダレる本。
ポイントを要約すると、
ノットワークとは、
「それぞれが対象を共有しながらも、独立した活動システムを形成しているなかで結ばれる関係」(p.162)
であり
「そうでなければ関わることのなかった別々の活動の糸が、結ばれ、解け、また結ばれていくという律動によって特徴づけられるもの」(p.162)
である。
つまり、ノットワークするとは、
それぞれ別々の活動の枠組みに入っている複数の主体をまず考える。
それぞれの活動は、そこでの様々な暗黙の前提の下で固定化している。
それが、ある時に互いに出会い、議論をする、協働することによって、
互いの矛盾に気づき、その矛盾を乗り越えるための新しい活動を生み出していく。
ノットワークすることがもたらすものをもう少し書いたのが
「このノットワークをエンゲストロームは、人間活動の発達を促す新たな概念として注目する。すなわち、ノットワークは、ある部分とある部分のつながりによって予測不可能な何か新しいものが創成され、そのつながりに関る主体が自らの生活を変化させ発達する過程を開示するものなのである」(P.187)
野仲郁次郎のSECIモデルの話ににてはいるのか・・・?いや、ちょっと違うか。
いずれにせよ、突き詰めれば「多様性(Diversity)」によって発達が進むというだけの話か・・・。
ノットワーキング 結び合う人間活動の創造へ
[著者]
山住 勝広、ユーリア・エングストローム 編
[出版社]
新曜社
[出版年]
2008年
[ノートor原著情報]
[要約]
[感想]
特に後半はなぜこの本に入っているのか分からない。
正直、ダレる本。
ポイントを要約すると、
ノットワークとは、
「それぞれが対象を共有しながらも、独立した活動システムを形成しているなかで結ばれる関係」(p.162)
であり
「そうでなければ関わることのなかった別々の活動の糸が、結ばれ、解け、また結ばれていくという律動によって特徴づけられるもの」(p.162)
である。
つまり、ノットワークするとは、
それぞれ別々の活動の枠組みに入っている複数の主体をまず考える。
それぞれの活動は、そこでの様々な暗黙の前提の下で固定化している。
それが、ある時に互いに出会い、議論をする、協働することによって、
互いの矛盾に気づき、その矛盾を乗り越えるための新しい活動を生み出していく。
ノットワークすることがもたらすものをもう少し書いたのが
「このノットワークをエンゲストロームは、人間活動の発達を促す新たな概念として注目する。すなわち、ノットワークは、ある部分とある部分のつながりによって予測不可能な何か新しいものが創成され、そのつながりに関る主体が自らの生活を変化させ発達する過程を開示するものなのである」(P.187)
野仲郁次郎のSECIモデルの話ににてはいるのか・・・?いや、ちょっと違うか。
いずれにせよ、突き詰めれば「多様性(Diversity)」によって発達が進むというだけの話か・・・。
2013年11月29日金曜日
人的資源マネジメントー「意識化」による組織能力の向上
[タイトル]
人的資源マネジメントー「意識化」による組織能力の向上
[著者]
古川久敬, 柳澤さおり, 池田 浩
[出版社]
白桃書房
[出版年]
2010. 6.
[ノートor原著情報]
[要約]
[感想]
産業組織心理学会で研究発表したあとに三沢さんから
関連書籍として教えてもらった本。
まさに、働きがい研究の中でやってきたようなことが
概ね描かれていて、おお!!っという感じ。
目的、目標の意識化によって役割定義をはっきりさせることが
タスクパフォーマンスを高める。
また、チームにおいては、コンテクスチュアルパフォーマンスを高める。
そして、それを振り返り、課題を整理することが今後につながっていく。
ちょっと気になったのは、
タスクが個人個人で別々なのであれば、チーム目標を設定することで
かえってパフォーマンスが落ちるという結果になっていたということ。
確かにわかるのはわかる。
というのは、タスクがあくまで個人個人なので、そこにチームの概念を注入すると
単純に仕事が増えるという形になるから。
ただ、重要なのは、この調査は主観評価によるもの。
つまり、個人タスクだと思っているのであって、
より上位の視点からはチームタスクということもあるだろう。
運転士や看護師なんかはそうではないか?基本は個人タスク。
たしかにそうなんだけど、学習まで含めればチームタスク。
そこまでの視野に立てている人にとっては、パフォーマンスが落ちるとか
いう回答にはならないのではないか?
重要なことは役割をどう定義するか、ということだろう。
あと、最後にあったBad Apple理論。おもしろい。
だけど、ここでも底上げと押上げという2つしかないのがちょっと?を感じる。
そもそも全体を別の軸に載せるということもあり得る。
底上げ、押上げだと、教育論やリーダーシップ論、モチベーション論になるんだけど、
それだけじゃなくて、マネジメントとしてはレギュレーションそのものを弄る
という視点が必要ではないだろうか?
そうすることで新しい軸上では、今と同じようにばらついているんだけど、
それの写像としての今の軸で見た時には、バラつきの位置はまえの状態と変わっているはず。分布全体の位置が変わっている。
そういうように持っていけないかな・・・
レギュレーションを変えるという視点が必要。
前田さん(INSS)が言っているように、暗黙のレベルに働きかけることが
文化変革になるんじゃないかな。
人的資源マネジメントー「意識化」による組織能力の向上
[著者]
古川久敬, 柳澤さおり, 池田 浩
[出版社]
白桃書房
[出版年]
2010. 6.
[ノートor原著情報]
[要約]
[感想]
産業組織心理学会で研究発表したあとに三沢さんから
関連書籍として教えてもらった本。
まさに、働きがい研究の中でやってきたようなことが
概ね描かれていて、おお!!っという感じ。
目的、目標の意識化によって役割定義をはっきりさせることが
タスクパフォーマンスを高める。
また、チームにおいては、コンテクスチュアルパフォーマンスを高める。
そして、それを振り返り、課題を整理することが今後につながっていく。
ちょっと気になったのは、
タスクが個人個人で別々なのであれば、チーム目標を設定することで
かえってパフォーマンスが落ちるという結果になっていたということ。
確かにわかるのはわかる。
というのは、タスクがあくまで個人個人なので、そこにチームの概念を注入すると
単純に仕事が増えるという形になるから。
ただ、重要なのは、この調査は主観評価によるもの。
つまり、個人タスクだと思っているのであって、
より上位の視点からはチームタスクということもあるだろう。
運転士や看護師なんかはそうではないか?基本は個人タスク。
たしかにそうなんだけど、学習まで含めればチームタスク。
そこまでの視野に立てている人にとっては、パフォーマンスが落ちるとか
いう回答にはならないのではないか?
重要なことは役割をどう定義するか、ということだろう。
あと、最後にあったBad Apple理論。おもしろい。
だけど、ここでも底上げと押上げという2つしかないのがちょっと?を感じる。
そもそも全体を別の軸に載せるということもあり得る。
底上げ、押上げだと、教育論やリーダーシップ論、モチベーション論になるんだけど、
それだけじゃなくて、マネジメントとしてはレギュレーションそのものを弄る
という視点が必要ではないだろうか?
そうすることで新しい軸上では、今と同じようにばらついているんだけど、
それの写像としての今の軸で見た時には、バラつきの位置はまえの状態と変わっているはず。分布全体の位置が変わっている。
そういうように持っていけないかな・・・
レギュレーションを変えるという視点が必要。
前田さん(INSS)が言っているように、暗黙のレベルに働きかけることが
文化変革になるんじゃないかな。
2013年11月15日金曜日
不確実性のマネジメント
[タイトル] 不確実性のマネジメント
[著者] カール. E. ワイク キャスリーン. M. サトクリフ
[出版社]ダイヤモンド社
[出版年] 2002年7月
[ノートor原著情報]
Managing the Unexpected: Assuring High Performance in an Age of Complexity
Karl E. Weick and Kathleen M Sutcliffe
Jossey-Bass Inc. 2001.7.
[要約]
[感想]
マインドフルという言葉がキーワードになってる。
本の趣旨としては、
本質的に不確実性をはらんだ現実の状況において
ノーマルという成功を保ち続けるには、
マインドフルでないといけないということ。
マインドをフルに働かせる。
前提としているのは、「予想をすると、予想外が生じる」ということ。
想定を深めることに必死になって、完全と思しきPlanを作ってしまうと、
実行段階では、Planを実行するだけになってしまって、現実の状況を
モニターするというマインドをフルに働かせることができなくなる。
重要なことは、「予想外のことも起こりえる」ということを想定し、
そういうことが起こっていないかをマインドフルにモニターすること
そういうことに対するセンシティビティを高めておくこと。
この本を読んで、「備え」と「構え」の違いが明確に自分のなかで
整理できた気がする。今までは「備え・構えを築く」とまとめて
語っていたけど、備えは予想して準備しておくこと、構えは予想外のことも
起こるんだと、「心の構え」を築いておくこと。
この2つは明確に分けないといけないよね。
[著者] カール. E. ワイク キャスリーン. M. サトクリフ
[出版社]ダイヤモンド社
[出版年] 2002年7月
[ノートor原著情報]
Managing the Unexpected: Assuring High Performance in an Age of Complexity
Karl E. Weick and Kathleen M Sutcliffe
Jossey-Bass Inc. 2001.7.
[要約]
[感想]
マインドフルという言葉がキーワードになってる。
本の趣旨としては、
本質的に不確実性をはらんだ現実の状況において
ノーマルという成功を保ち続けるには、
マインドフルでないといけないということ。
マインドをフルに働かせる。
前提としているのは、「予想をすると、予想外が生じる」ということ。
想定を深めることに必死になって、完全と思しきPlanを作ってしまうと、
実行段階では、Planを実行するだけになってしまって、現実の状況を
モニターするというマインドをフルに働かせることができなくなる。
重要なことは、「予想外のことも起こりえる」ということを想定し、
そういうことが起こっていないかをマインドフルにモニターすること
そういうことに対するセンシティビティを高めておくこと。
この本を読んで、「備え」と「構え」の違いが明確に自分のなかで
整理できた気がする。今までは「備え・構えを築く」とまとめて
語っていたけど、備えは予想して準備しておくこと、構えは予想外のことも
起こるんだと、「心の構え」を築いておくこと。
この2つは明確に分けないといけないよね。
2013年10月29日火曜日
拡張による学習 活動理論からのアプローチ
[タイトル]拡張による学習 活動理論からのアプローチ
[著者] ユーリア・エングストローム (訳:山住勝広/松下佳代/百合草禎二/保坂裕子/庄井良信/手取義宏/高橋 登)
[出版社] 新曜社
[出版年]1999年8月
[ノートor原著情報]LEARNING BY EXPANDING an activity-theoretical approach to developmental research
[要約]
[感想]とにかく難しい・・・。わかったのは、「弁証法的」という言葉の意味がわからなかったということ(苦笑)
まあ、それはさておき、現実の世界は以下のような要素で構成されている。
道具
/\
/ \
主体(人) ーーーー対象−>目標
/\ /\
/ \/ \
ルールーー集団ーーー分業
規範
そして、それぞれがある意味安定的(ダブルバインド状態で平衡)している。
要するに、安全という点からみれば、
ある安全性のレベルは、それと対立するもの(例えば経済性)と
平衡状態で保たれている。
なので、安全性を今よりも高めようとしても、経済性がもとに戻そうとする。
重要なことは、
そのダブルバインドを解消する別のテーゼを展開すること。
そして、そのためには
スプリングボード
モデル
ミクロコスモス
が必要となる。
弁証法とは・・・
あるテーゼに対して、アンチテーゼが展開されている。
その対立を解消するためにそれらを「統合」できる
別のジンテーゼを展開する。
そういう形で議論を展開していこと。
そして、
弁証法的発展とは、現実の世界である2つの対立するテーゼ(ダブルバインド)
を解消できる別のテーゼで現実のシステムを捉え、その視点でシステムを
発展させることで、2つの対立するテーゼを解消する(あるいは解消させなくとも
ダブルバインドによる身動きが取れない状態を回避しながら、システムを
よりよいものへと改善していく)ように持っていくこと。
[著者] ユーリア・エングストローム (訳:山住勝広/松下佳代/百合草禎二/保坂裕子/庄井良信/手取義宏/高橋 登)
[出版年]1999年8月
[ノートor原著情報]LEARNING BY EXPANDING an activity-theoretical approach to developmental research
[感想]とにかく難しい・・・。わかったのは、「弁証法的」という言葉の意味がわからなかったということ(苦笑)
まあ、それはさておき、現実の世界は以下のような要素で構成されている。
道具
/\
/ \
主体(人) ーーーー対象−>目標
/\ /\
/ \/ \
ルールーー集団ーーー分業
規範
そして、それぞれがある意味安定的(ダブルバインド状態で平衡)している。
要するに、安全という点からみれば、
ある安全性のレベルは、それと対立するもの(例えば経済性)と
平衡状態で保たれている。
なので、安全性を今よりも高めようとしても、経済性がもとに戻そうとする。
重要なことは、
そのダブルバインドを解消する別のテーゼを展開すること。
そして、そのためには
スプリングボード
モデル
ミクロコスモス
が必要となる。
弁証法とは・・・
あるテーゼに対して、アンチテーゼが展開されている。
その対立を解消するためにそれらを「統合」できる
別のジンテーゼを展開する。
そういう形で議論を展開していこと。
そして、
弁証法的発展とは、現実の世界である2つの対立するテーゼ(ダブルバインド)
を解消できる別のテーゼで現実のシステムを捉え、その視点でシステムを
発展させることで、2つの対立するテーゼを解消する(あるいは解消させなくとも
ダブルバインドによる身動きが取れない状態を回避しながら、システムを
よりよいものへと改善していく)ように持っていくこと。
2013年8月29日木曜日
社会技術システムの安全分析 FRAMガイドブック
[タイトル]
社会技術システムの安全分析
FRAMガイドブック
[著者]
エリック・ホルナゲル著
小松原明哲監訳
氏田博土/菅野太郎/狩川大輔/中西美和/松井裕子訳
[出版社]
海文堂
[出版年]
2013年5月
[ノートor原著情報]
[要約]
[感想]
FRAMの教科書みたいなもの。
相変わらず翻訳がイマイチで読みにくい・・・。
正直、FRAMの手法そのものは実際にするには壁が高いと思う。
ただ、その概念自体は参考にはなる。
SAFETY−2の説明はなかった。
SAFETY-2の説明がされている文献って、これっていうものがないんかなぁ・・・
社会技術システムの安全分析
FRAMガイドブック
[著者]
エリック・ホルナゲル著
小松原明哲監訳
氏田博土/菅野太郎/狩川大輔/中西美和/松井裕子訳
海文堂
[出版年]
2013年5月
[ノートor原著情報]
[要約]
[感想]
FRAMの教科書みたいなもの。
相変わらず翻訳がイマイチで読みにくい・・・。
正直、FRAMの手法そのものは実際にするには壁が高いと思う。
ただ、その概念自体は参考にはなる。
SAFETY−2の説明はなかった。
SAFETY-2の説明がされている文献って、これっていうものがないんかなぁ・・・
2013年5月1日水曜日
医療事故 なぜおこるか、どうすれば防げるか
[タイトル]
医療事故 なぜおこるか、どうすれば防げるか
[著者]
山内 桂子 山内 隆久
[出版社]
朝日新聞社
[出版年]
2009.6
[ノートor原著情報]
[要約]
市大病院での2013年2月4日の講演に向けて読んだ本。
医療業界での患者取り違え事故が細かく解説されている。
レジリエンスとかTEMの概念がかいま見える興味深いもの。
ただ、あくまで医療事故の分野の本である
[感想]
医療事故 なぜおこるか、どうすれば防げるか
[著者]
山内 桂子 山内 隆久
[出版社]
朝日新聞社
[出版年]
2009.6
[ノートor原著情報]
[要約]
市大病院での2013年2月4日の講演に向けて読んだ本。
医療業界での患者取り違え事故が細かく解説されている。
レジリエンスとかTEMの概念がかいま見える興味深いもの。
ただ、あくまで医療事故の分野の本である
[感想]
2013年1月18日金曜日
新幹線お掃除の天使たち
[タイトル]
新幹線お掃除の天使たち 「世界一の現場力」はどう生まれたか
[著者]
遠藤 功
[出版社]
あさ出版
[出版年]
2012年8月
[ノートor原著情報]
Noting
[要約&感想]
話題になってるので買ってみた。
まるで赤川次郎の小説のようにすらすらと読める本。
遠藤先生の組織運営の考え方、すなわち、
「組織運営はどうあるべきか」
「硬直した組織を変革するにはどう進めるべきか」
というものを、新幹線の清掃現場の変革事例を用いて
ドキュメンタリーの形態を使いながら説明されている。
問題意識:一体感がない、元気がない、現場と経営陣の距離が遠く会社の思いが現場に伝わっていない。現場は「自分たちは所詮清掃員」。
変革者の思い:「今のままで問題はない」ではなく、「もっと色々なことができるはず」と考え「トータルサービス会社」に持って行きたいと思った。「そういうことができれば現場のスタッフももっと元気になるに違いない」と考えた。
←ここがすごく不思議。どうして「トータルサービス会社」というコンセプトが出てきたのだろうか。普通に考えれば、単なる清掃会社で、「清掃が仕事」というのが当時の常識で、JR東もそれ以上のことは特に期待はしていなかったはず。(実際に文章の中でも「当時の経営幹部はそういうことに興味を示さなかった」と書いている。そういうものだと思う。)「なぜ、それではだめだ!」と思えたのか。バックグラウンドにどういうものがあるのか。どういう思考を経てこういうコンセプトにいたったのか?最初はどこに問題があると思ったのか。それを改善するために、どのような思考の中での試行錯誤をしたのか。それを知りたい・・・。
それからとったアプローチ
<気持ちをつかむ>
●仲間を徐々に増やす
●うまく外部環境を活用して「注目されている」感(←自分たちは間違っていない、自分たちは社会から認められている、自分たちもまんざら捨てたものでもない、と思わせる)を醸成する
●コンセプトを与える。トータルサービス、
●職場の環境をまず改善する。
●組織を組み替える
●イベントで一体感を高める
●価値観を共有し、やる気を出してくれる人をどんどん登用していく。(イベントに参加する人しかり)
<自律を引き出す>
●新しいコンセプトを与える。「さわやか、あんしん、あったか」。
●新しいコンセプトの下に現場と経営陣が一体となって議論できる「場」を作る
特に、会社の方向性を伝える一方で、スタッフ一人ひとりと真正面から向き合い、現場の声を吸い上げる
また、議論で出てきた取り組みは積極的に取り組む
●褒めの活用
<自律を風土・文化にする>
この部分は今後の取り組み。
←えてして、ここからが難しい。変革は、変革が動いている最中は現場が生き生きするが、変革が止まると現場の活力も失われる。色々と「やれる」→何らかの満足しきれない部分「こんなこともやってみたい」というような部分があるから動きが出てくる。そういったことを大体やりつくした、イベントやキャンペーンも旬物として定着した、となってしまい、根本から新しい枠組みを作る、というのではなく、枠組みの中でのマイナーチェンジ程度になると、「変革のための動き」自体が「動く」ための「動き」でしかなくなる。何のためにやっているのかが失われてくる。
←人は「不満足」な点を「満足」させるために動く。根本はそこ。「満足」していると思ったら動かなくなる。如何に「不満足」を見つけさせるか。中々見つけづらくなってきた「不満足」「欲求」「ニーズ」を如何に見つけさせるか。
←最初は不満足がたくさんあるから色々とやれるが、成熟するとそれが失われてくる。そうなると、どうすればよいのか・・・。
以下、読んでる最中に思ったこと。
(1)
なんとなく、一人の問題意識の強いリーダーが粘り強く働き掛けてるとともに、外部環境をうまく使いながら、目に見えるような環境改善なんかも行って、組織改革を成し遂げた、という感じがする。
それでも、2年 かかったということなのだが、ある意味、そうしやすい比較的「小回りの利く組織システム、組織規模」だったということか。
そのような「小回りの利きやすさ」という点では、運転システムはやっぱり図体が大きく、他の組織との関わりも「システムレベル」で「密着」してしまっているので、ちょっとやそっとでは動かないのかもしれない。単独の区だけでは動かせないのかもしれない。
そういうような組織を改革するにはどういうことが必要なのか、どの程度の期間がかかるものなのか、そういうのを調べてみるのもいいかもしれない。
あと、なんとなく、job craftの考え方、job craftが可能な職務特性みたいなものを、組織レベルでも考えられるのかも知れない。他との関係性のつよさとか。
(2)
もともとの現場の空気は結構、運転士現場と同じだったようだ。
「プラス方向に引き上げる」と「マイナスを抑える」。「マイナスを抑えることに全力を注ぐべきだ」という考えの人を如何に「プラスもすべきだ」という方向にもっていくにはどうすればよか・・・。
新幹線お掃除の天使たち 「世界一の現場力」はどう生まれたか
[著者]
遠藤 功
[出版社]
あさ出版
[出版年]
2012年8月
[ノートor原著情報]
Noting
[要約&感想]
話題になってるので買ってみた。
まるで赤川次郎の小説のようにすらすらと読める本。
遠藤先生の組織運営の考え方、すなわち、
「組織運営はどうあるべきか」
「硬直した組織を変革するにはどう進めるべきか」
というものを、新幹線の清掃現場の変革事例を用いて
ドキュメンタリーの形態を使いながら説明されている。
問題意識:一体感がない、元気がない、現場と経営陣の距離が遠く会社の思いが現場に伝わっていない。現場は「自分たちは所詮清掃員」。
変革者の思い:「今のままで問題はない」ではなく、「もっと色々なことができるはず」と考え「トータルサービス会社」に持って行きたいと思った。「そういうことができれば現場のスタッフももっと元気になるに違いない」と考えた。
←ここがすごく不思議。どうして「トータルサービス会社」というコンセプトが出てきたのだろうか。普通に考えれば、単なる清掃会社で、「清掃が仕事」というのが当時の常識で、JR東もそれ以上のことは特に期待はしていなかったはず。(実際に文章の中でも「当時の経営幹部はそういうことに興味を示さなかった」と書いている。そういうものだと思う。)「なぜ、それではだめだ!」と思えたのか。バックグラウンドにどういうものがあるのか。どういう思考を経てこういうコンセプトにいたったのか?最初はどこに問題があると思ったのか。それを改善するために、どのような思考の中での試行錯誤をしたのか。それを知りたい・・・。
それからとったアプローチ
<気持ちをつかむ>
●仲間を徐々に増やす
●うまく外部環境を活用して「注目されている」感(←自分たちは間違っていない、自分たちは社会から認められている、自分たちもまんざら捨てたものでもない、と思わせる)を醸成する
●コンセプトを与える。トータルサービス、
●職場の環境をまず改善する。
●組織を組み替える
●イベントで一体感を高める
●価値観を共有し、やる気を出してくれる人をどんどん登用していく。(イベントに参加する人しかり)
<自律を引き出す>
●新しいコンセプトを与える。「さわやか、あんしん、あったか」。
●新しいコンセプトの下に現場と経営陣が一体となって議論できる「場」を作る
特に、会社の方向性を伝える一方で、スタッフ一人ひとりと真正面から向き合い、現場の声を吸い上げる
また、議論で出てきた取り組みは積極的に取り組む
●褒めの活用
<自律を風土・文化にする>
この部分は今後の取り組み。
←えてして、ここからが難しい。変革は、変革が動いている最中は現場が生き生きするが、変革が止まると現場の活力も失われる。色々と「やれる」→何らかの満足しきれない部分「こんなこともやってみたい」というような部分があるから動きが出てくる。そういったことを大体やりつくした、イベントやキャンペーンも旬物として定着した、となってしまい、根本から新しい枠組みを作る、というのではなく、枠組みの中でのマイナーチェンジ程度になると、「変革のための動き」自体が「動く」ための「動き」でしかなくなる。何のためにやっているのかが失われてくる。
←人は「不満足」な点を「満足」させるために動く。根本はそこ。「満足」していると思ったら動かなくなる。如何に「不満足」を見つけさせるか。中々見つけづらくなってきた「不満足」「欲求」「ニーズ」を如何に見つけさせるか。
←最初は不満足がたくさんあるから色々とやれるが、成熟するとそれが失われてくる。そうなると、どうすればよいのか・・・。
以下、読んでる最中に思ったこと。
(1)
なんとなく、一人の問題意識の強いリーダーが粘り強く働き掛けてるとともに、外部環境をうまく使いながら、目に見えるような環境改善なんかも行って、組織改革を成し遂げた、という感じがする。
それでも、2年 かかったということなのだが、ある意味、そうしやすい比較的「小回りの利く組織システム、組織規模」だったということか。
そのような「小回りの利きやすさ」という点では、運転システムはやっぱり図体が大きく、他の組織との関わりも「システムレベル」で「密着」してしまっているので、ちょっとやそっとでは動かないのかもしれない。単独の区だけでは動かせないのかもしれない。
そういうような組織を改革するにはどういうことが必要なのか、どの程度の期間がかかるものなのか、そういうのを調べてみるのもいいかもしれない。
あと、なんとなく、job craftの考え方、job craftが可能な職務特性みたいなものを、組織レベルでも考えられるのかも知れない。他との関係性のつよさとか。
(2)
もともとの現場の空気は結構、運転士現場と同じだったようだ。
「プラス方向に引き上げる」と「マイナスを抑える」。「マイナスを抑えることに全力を注ぐべきだ」という考えの人を如何に「プラスもすべきだ」という方向にもっていくにはどうすればよか・・・。
2013年1月9日水曜日
人と機械の共生のデザイン
[タイトル]
人と機械の共生のデザイン -「人間中心の自動化」を探る-
[著者]
稲垣 敏之
[出版社]
森北出版株式会社
[出版年]
2012
[ノートor原著情報]
[要約&感想]
参考文献が全然引用箇所が明記されてない・・・
引用であろう箇所の原著がわからん・・・
全体に、航空機と自動車を対象に自動化のあり方について議論している。
稲垣先生が考える「人間中心設計」という言葉の定義が「最終決定権を人間に与えること」であるというのが透けて見える。(P.124)
自動化システムと人との関係を人と人との関係のアナロジーで考ている。
全体としては、
設計指針としてはP.63に示しているものがこの本の主張の核だが、稲垣先生は基本的には「人に決定権を与える自動化」と「機械に決定権を与えつつ、状況はキチンと人に情報伝達する自動化」を状況に合わせて行ったり来たりできる「アダプティブオートーメーション」を推奨しているようだ。
P.63からの引用(一部改変)
人間中心の自動化の基本理念
(1) 人は(航空)システムの安全に対して最終責任を追っている。
↓
(2) 人に指揮権を与えよう
↓
(3) 効果的に指揮を行えるよう、人に主体的に関与させよう
(4) 人が主体的に関与できるよう、人に情報を提供しよう
(5) 適切な理由がある場合のみ、機能を自動化することにしよう
(6) 人が自動化システムをモニターできるようにしておこう
(7) 自動化システムは予測可能なものであるようにしておこう
(8) 自動化システムは人をモニターできるようにしておこう
(9) 人と自動化システムは互いに相手の意図をしることができるようにしておこう
(10) 自動化システムは、簡単に学べて簡単に使えるようにデザインしよう
P.111
自動化レベル
(1) コンピュータの支援なしに、すべてを人間が決定・実行
(2) コンピュータはすべての選択肢を提示し、人間はそのうちの一つを選択して実行
(3) コンピュータは可能な選択肢をすべて人間に提示するとともに、その中の一つを選んで提案。それを実行するか否かは人間が決定。
(4) コンピュータは可能な選択肢の中から一つを選び、それを人間に提案。それを実行するか否かは人間が決定。
(5) コンピュータは一つの案を人間に提示。人間が了承すれば、コンピュータが実行。
(6) コンピュータは一つの案を人間に提示。人間が一定時間以内に実行中止を指令しない限り、コンピュータはその案を実行。
(6.5) コンピュータは一つの案を人間に提示すると同時に、その案を実行
← 「提示しなくてもいい!」とも思えるが、「提示」するということで、その後の人の行動が安全なものになる。人の状況認識を損なわなくてすむ。
(7) コンピュータがすべてを行い、何を実行したか人間に報告。
(8) コンピュータがすべてを決定・実行。人間に問われれば、何を実行したかを人間い報告。
(9)コンピュータがすべてを決定・実行。何を実行したかを人間に報告するのは、必要性をコンピュータが認めたときのみ。
(10) コンピュータがすべてを決定し、実行。
なんとなく、よくわからなかった「過信・不信の問題がなぜ『問題』なのか」の本質がわかった気がする。
基本的に、すべての状況変動に適切に対応できる「パーフェクト」な機器は設計できない、という前提の上で、「過信」があった場合には機器が対応できな状況に至った時に、なぜ対応しないのか、何が起こっているのかわからなくなる、というオートメーションサプライズが起きたり、状況への対処が遅れたりする。「不信」の場合は「狼少年」になって、機器が無効化されたり、逆に無視していた機械が勝手に何かをして逆のオートメーションサプライズが起きたりする。
過信・不信によって人の状況認知と機械の状況認知に齟齬が生じてきて、それが不安全をまねくということ。
ちょっと考えればわかるんかもしれんけど、この本を読むまでいまいちよく見えなかった。。。
人と機械の共生のデザイン -「人間中心の自動化」を探る-
[著者]
稲垣 敏之
[出版社]
森北出版株式会社
[出版年]
2012
[ノートor原著情報]
[要約&感想]
参考文献が全然引用箇所が明記されてない・・・
引用であろう箇所の原著がわからん・・・
全体に、航空機と自動車を対象に自動化のあり方について議論している。
稲垣先生が考える「人間中心設計」という言葉の定義が「最終決定権を人間に与えること」であるというのが透けて見える。(P.124)
自動化システムと人との関係を人と人との関係のアナロジーで考ている。
全体としては、
設計指針としてはP.63に示しているものがこの本の主張の核だが、稲垣先生は基本的には「人に決定権を与える自動化」と「機械に決定権を与えつつ、状況はキチンと人に情報伝達する自動化」を状況に合わせて行ったり来たりできる「アダプティブオートーメーション」を推奨しているようだ。
P.63からの引用(一部改変)
人間中心の自動化の基本理念
(1) 人は(航空)システムの安全に対して最終責任を追っている。
↓
(2) 人に指揮権を与えよう
↓
(3) 効果的に指揮を行えるよう、人に主体的に関与させよう
(4) 人が主体的に関与できるよう、人に情報を提供しよう
(5) 適切な理由がある場合のみ、機能を自動化することにしよう
(6) 人が自動化システムをモニターできるようにしておこう
(7) 自動化システムは予測可能なものであるようにしておこう
(8) 自動化システムは人をモニターできるようにしておこう
(9) 人と自動化システムは互いに相手の意図をしることができるようにしておこう
(10) 自動化システムは、簡単に学べて簡単に使えるようにデザインしよう
P.111
自動化レベル
(1) コンピュータの支援なしに、すべてを人間が決定・実行
(2) コンピュータはすべての選択肢を提示し、人間はそのうちの一つを選択して実行
(3) コンピュータは可能な選択肢をすべて人間に提示するとともに、その中の一つを選んで提案。それを実行するか否かは人間が決定。
(4) コンピュータは可能な選択肢の中から一つを選び、それを人間に提案。それを実行するか否かは人間が決定。
(5) コンピュータは一つの案を人間に提示。人間が了承すれば、コンピュータが実行。
(6) コンピュータは一つの案を人間に提示。人間が一定時間以内に実行中止を指令しない限り、コンピュータはその案を実行。
(6.5) コンピュータは一つの案を人間に提示すると同時に、その案を実行
← 「提示しなくてもいい!」とも思えるが、「提示」するということで、その後の人の行動が安全なものになる。人の状況認識を損なわなくてすむ。
(7) コンピュータがすべてを行い、何を実行したか人間に報告。
(8) コンピュータがすべてを決定・実行。人間に問われれば、何を実行したかを人間い報告。
(9)コンピュータがすべてを決定・実行。何を実行したかを人間に報告するのは、必要性をコンピュータが認めたときのみ。
(10) コンピュータがすべてを決定し、実行。
なんとなく、よくわからなかった「過信・不信の問題がなぜ『問題』なのか」の本質がわかった気がする。
基本的に、すべての状況変動に適切に対応できる「パーフェクト」な機器は設計できない、という前提の上で、「過信」があった場合には機器が対応できな状況に至った時に、なぜ対応しないのか、何が起こっているのかわからなくなる、というオートメーションサプライズが起きたり、状況への対処が遅れたりする。「不信」の場合は「狼少年」になって、機器が無効化されたり、逆に無視していた機械が勝手に何かをして逆のオートメーションサプライズが起きたりする。
過信・不信によって人の状況認知と機械の状況認知に齟齬が生じてきて、それが不安全をまねくということ。
ちょっと考えればわかるんかもしれんけど、この本を読むまでいまいちよく見えなかった。。。
2012年12月19日水曜日
ヒューマンエラーと機械・システム設計
[タイトル]
ヒューマンエラーと機械・システム設計
[著者]
柚原 直弘、稲垣 敏之、古川 修 編著
[出版社]
講談社サイエンティフィク
[出版年]
2012年
[ノートor原著情報]
[要約]
(前半)
最初にヒューマンエラーの考え方を概説した後、
「人はエラーをおこすもの」という前提にたった機械システムの設計の進め方の解説をする。
特にリスクアセスメントの進め方や、具体的な設計にあたってのエラー防止のための設計を実現するための原則が解説される。
その後、自動化システムとのインタラクションという観点からの設計が示される。
(後半)
自動車、航空、鉄道、原子力、船舶、医療という代表的なマン・マシン・システムを取り上げて、具体的に事例に基づいた機械システム設計が紹介される。
[感想]
「安全のための設計」を考える段に当たっての教科書という点では非常によくまとまっているように思った。
また、各マンマシンシステムが紹介されていて、それぞれの特徴を対比的に見ることができるので、一度読み通して振り返ってみると、それぞれの違いが分かって面白かった。
この本はあくまで「人はエラーを起こすもの」という前提にたって、「設計」というフェーズで何をすべきかをまとめている。あくまで「設計」というフェーズ。
一方で、こういう考え方で設計しても、すべてのスレットを除去し切るのは難しい。
となると、スレットが紛れているという前提で「運転」「管理」「メンテナンス」という「実務」のフェーズでは、「スレットを見つけて、それに対する構え・備えを立て、エラーを防ぐのも人」と「エラーが起こっても事故につなげないように構え・備えを立てるのも人」という、別の人間観で日々の仕事を組立たりマネジメントすることが必要だろう。
こっちの話はどちらかという工学というよりは、経営学(組織管理、経営管理)の話だろう。
もちろん、これは設計フェーズの話ではないのだが、安全管理全体を眺めたときには、設計だけがすべてではないと思うべき。
ヒューマンエラーと機械・システム設計
[著者]
柚原 直弘、稲垣 敏之、古川 修 編著
[出版社]
講談社サイエンティフィク
[出版年]
2012年
[ノートor原著情報]
[要約]
(前半)
最初にヒューマンエラーの考え方を概説した後、
「人はエラーをおこすもの」という前提にたった機械システムの設計の進め方の解説をする。
特にリスクアセスメントの進め方や、具体的な設計にあたってのエラー防止のための設計を実現するための原則が解説される。
その後、自動化システムとのインタラクションという観点からの設計が示される。
(後半)
自動車、航空、鉄道、原子力、船舶、医療という代表的なマン・マシン・システムを取り上げて、具体的に事例に基づいた機械システム設計が紹介される。
[感想]
「安全のための設計」を考える段に当たっての教科書という点では非常によくまとまっているように思った。
また、各マンマシンシステムが紹介されていて、それぞれの特徴を対比的に見ることができるので、一度読み通して振り返ってみると、それぞれの違いが分かって面白かった。
この本はあくまで「人はエラーを起こすもの」という前提にたって、「設計」というフェーズで何をすべきかをまとめている。あくまで「設計」というフェーズ。
一方で、こういう考え方で設計しても、すべてのスレットを除去し切るのは難しい。
となると、スレットが紛れているという前提で「運転」「管理」「メンテナンス」という「実務」のフェーズでは、「スレットを見つけて、それに対する構え・備えを立て、エラーを防ぐのも人」と「エラーが起こっても事故につなげないように構え・備えを立てるのも人」という、別の人間観で日々の仕事を組立たりマネジメントすることが必要だろう。
こっちの話はどちらかという工学というよりは、経営学(組織管理、経営管理)の話だろう。
もちろん、これは設計フェーズの話ではないのだが、安全管理全体を眺めたときには、設計だけがすべてではないと思うべき。
2012年11月1日木曜日
運転士裏運転手帳 知らなかった「電車運転士」というオシゴトのすべて
[タイトル]
運転士裏運転手帳 知らなかった「電車運転士」というオシゴトのすべて
[著者]
奥西 次男
[出版社]
株式会社山海堂
[出版年]
1999
[ノートor原著情報]
[要約&感想]
JRになる前に定年退職した国鉄運転士の回想録のような内容。
最後まで管理ではなく運転士として過ごした人。
これを読むと結局、昔から鉄道運転士の人らの仕事観ってあんまり変わってないんだなと思う。
仕事の楽しみはやっぱりブレーキングだった、
とか、
他人のチョンボを見つけて安全側にもっていったことで賞をもらう、というのについて「他人のチョンボで褒めてもらうのはよくない」と考えたり。
非常に興味深いのは
「事故防止の意味から、乗務員にはなるべく動揺を与えないように周囲は常に心がける、というのは常識なのになあ。」(P.198)
のフレーズ。
「特権意識」とまわりはとるかもしれないが、運転士は至って真剣に「そうすべきだ」と思ってる・・・。
なんか面白い。
運転士裏運転手帳 知らなかった「電車運転士」というオシゴトのすべて
[著者]
奥西 次男
[出版社]
株式会社山海堂
[出版年]
1999
[ノートor原著情報]
[要約&感想]
JRになる前に定年退職した国鉄運転士の回想録のような内容。
最後まで管理ではなく運転士として過ごした人。
これを読むと結局、昔から鉄道運転士の人らの仕事観ってあんまり変わってないんだなと思う。
仕事の楽しみはやっぱりブレーキングだった、
とか、
他人のチョンボを見つけて安全側にもっていったことで賞をもらう、というのについて「他人のチョンボで褒めてもらうのはよくない」と考えたり。
非常に興味深いのは
「事故防止の意味から、乗務員にはなるべく動揺を与えないように周囲は常に心がける、というのは常識なのになあ。」(P.198)
のフレーズ。
「特権意識」とまわりはとるかもしれないが、運転士は至って真剣に「そうすべきだ」と思ってる・・・。
なんか面白い。
2012年10月22日月曜日
事故が無くならない理由 安全対策の落とし穴
[タイトル]
事故が無くならない理由 安全対策の落とし穴
[著者]
芳賀 繁
[出版社]
PHP研究所
[出版年]
2012
[ノートor原著情報]
[要約&感想]
芳賀先生の本。
新書ということもあり、全体に解説本という感じ。
リスクホメオスタシス理論を前面に引っぱり出しながら、ホメオスタシスが働くのだから、根本的な受容するリスクの大きさを下げないと、外的な安全対策をしても内的なリスク補償行動で無効化してしまう。
根本的な受容するリスクの大きさを上げるにはどうすればいいだろうか??
ということが本の主要テーマだと思う。ただ、根本的には、まだ芳賀先生自身も明確に自分自身の提言というものをまとめきれていない印象。リスクコミュニケーションについても触れたり、運輸安全マネジメント制度にも触れたりと、すんごい発散した感じもある。
最後の方で職業的自尊心との関連についても触れていた。まあ、言ってることはわからなくもない。
ただ、現状では職業的自尊心(あくまでアンケート項目の内容に基づいたもの)が安全行動に結びつくという点について納得行く説明がない。
様々な仲間意識や家族への愛情みたいなものが安全行動(違反行動の抑制)に結びつくというのはわからなくもないが、それをなぜ職業的自尊心というようなものに置き換えてるんだろう?そのままダイレクトに持っていけばいいのに。。。
途中で、鉄道運転士のブレーキングの難しさと楽しさを細かく書いているのは非常に興味深かった。
事故が無くならない理由 安全対策の落とし穴
[著者]
芳賀 繁
[出版社]
PHP研究所
[出版年]
2012
[ノートor原著情報]
[要約&感想]
芳賀先生の本。
新書ということもあり、全体に解説本という感じ。
リスクホメオスタシス理論を前面に引っぱり出しながら、ホメオスタシスが働くのだから、根本的な受容するリスクの大きさを下げないと、外的な安全対策をしても内的なリスク補償行動で無効化してしまう。
根本的な受容するリスクの大きさを上げるにはどうすればいいだろうか??
ということが本の主要テーマだと思う。ただ、根本的には、まだ芳賀先生自身も明確に自分自身の提言というものをまとめきれていない印象。リスクコミュニケーションについても触れたり、運輸安全マネジメント制度にも触れたりと、すんごい発散した感じもある。
最後の方で職業的自尊心との関連についても触れていた。まあ、言ってることはわからなくもない。
ただ、現状では職業的自尊心(あくまでアンケート項目の内容に基づいたもの)が安全行動に結びつくという点について納得行く説明がない。
様々な仲間意識や家族への愛情みたいなものが安全行動(違反行動の抑制)に結びつくというのはわからなくもないが、それをなぜ職業的自尊心というようなものに置き換えてるんだろう?そのままダイレクトに持っていけばいいのに。。。
途中で、鉄道運転士のブレーキングの難しさと楽しさを細かく書いているのは非常に興味深かった。
2012年5月22日火曜日
複雑系入門
[タイトル]
複雑系入門―知のフロンティアへの冒険
[著者]
井庭 崇、福原 義久
[出版社]
NTT出版
[出版年]
1998年3月
[ノートor原著情報]
[要約]
Part I 『複雑系』科学
Chapter 1 『複雑系』とは何か?
1.1 疑問形から始まる
1.2 世界の階層構造
1.3 固有名詞としての『複雑系』
1.4 創発
1.5 『複雑系』理解への道
Chapter 2 『複雑系』科学の位置
2.1 個別科学とその階層性
2.2 『複雑系』科学の位置
2.3 『複雑系』科学は科学革命を起こしたか?
Chapter 3 『複雑系』科学の方法論
3.1 構成的手法によるアプローチ
3.2 シミュレーション
3.3 アナロジー
3.4 『複雑系』を研究しなければ『複雑系』科学ではない
3.5 「理解の仕方」を理解する
Part II 複雑性の現象
Chapter 4 フラクタル
4.1 フラクタルの発見―海岸の長さはどうやって測るのか?
4.2 自己相似性―フラクタル図形
4.3 フラクタル次元
4.4 自然の中のフラクタル
4.5 自己相似性を用いて自然の風景を再現する
4.6 『複雑系』科学とフラクタル
Chapter 5 自己組織的臨界状態
5.1 砂山の雪崩に隠された規則
5.2 自然、社会の中にみられるべき乗法則
5.3 『複雑系』科学と自己組織的臨界状態
Chapter 6 カオス
6.1 決定論と非決定論
6.2 カオスとバタフライ効果
6.3 カオスの生成
6.4 動的な振る舞いの把握
6.5 カオスのアトラクタ
6.6 カオス生成の原理と特徴
6.7 『複雑系』科学における「カオス」の位置
Chapter 7 カオスの縁
7.1 セル・オートマトン
7.2 1次元セル・オートマトンとクラス分類
7.3 λパラメータとカオスの縁
7.4 λパラメータと複雑さ
7.5 カオスの縁
Part III 複雑適応系
Chapter 8 複雑適応系
8.1 複雑適応系
8.2 スキーマと適応度地形
8.3 集合的複雑適応系
8.4 適応的エージェント
8.5 複雑適応系と『複雑系』
Chapter 9 進化と遺伝的アルゴリズム
9.1 遺伝子という情報
9.2 ダーウィンの進化論と利己的遺伝子
9.3 遺伝的アルゴリズム
9.4 遺伝的アルゴリズムの実行の簡単な例
9.5 遺伝的アルゴリズムは何をしているのか
Chapter 10 カウフマンネットワーク
10.1 自然淘汰と自己組織化
10.2 自発的な生命の起源
10.3 遺伝子ネットワークの自発的秩序
10.4 遺伝子の非線形性と適応度地形
10.5 カオスの縁への自己組織化
Chapter 11 ニューラルネットワーク
11.1 脳とその構造
11.2 ニューラルネットワークのモデル
11.3 パーセプトロンによる学習
11.4 多層パーセプトロン
11.5 ニューラルネットワークは何をしているのか
11.6 他モデルと今後
Part IV 『複雑系』科学のフロンティア
Chapter 12 『複雑系』経済学
12.1 The Future of Economics
12.2 新古典派経済学
12.3 『複雑系』経済学
12.4 構成要素:主体の内部を見つめ直す
12.5 要素のつながり:ダイナミックなネットワークとしての経済
12.6 時間発展と進化:歴史性の重視
12.7 経済学における構成的研究事例
12.8 『複雑系』経済学はどこへいくのか
Chapter 13 人工生命
13.1 「可能な生命」という観点
13.2 コンピュータ上の生命
13.3 ボイド:群れのシミュレーション
13.4 すり抜けてしまった生命性
13.5 『複雑系』科学における人工生命研究
13.6 人工生命研究はどこに向かうのか
Chapter 14 カオス結合系
14.1 カオスをつなぐとは?
14.2 カオス結合モデル
14.3 カオス的遍歴
14.4 カオス結合系と脳
Chapter 15 内部観測
15.1 観測について考え直す
15.2 局所的な要素と内部観測
15.3 観測志向型理論
15.4 内部観測による時間発展モデル
15.5 創発とは矛盾を疑似的に解決すること
15.6 選択領域外部からの選択
15.7 観測志向理論への道
Part V 『複雑系』研究への道標
16.1 現在の「複雑系」科学再考
16.2 理解の新しい方法
16.3 科学の枠が広がるか、それとも・・・
[感想]
「創発」という言葉に興味をもって読んでみた。
本当に入門編・概論といった感じ。
だけど、入門者の自分としてはいろいろと勉強になった。
・「内部観測」という視点はアクション・リサーチの話にもつながる。
・局所的に決めたルールを積み上げることで、全体としての秩序があるかのように見えてくる。それが創発。
・創発は還元主義ではとらえきれない話。還元主義の下に個別の要素を研究するんだけど、それをいくら積み上げても全体秩序は説明できない。
・まさに個人と集団の関係は複雑系といえる。
・個人的には、シミュレーションであったり、遺伝的アルゴリズムであったり、ニューラルネットワークであったりといった手法を使った研究をしてみたいなぁ・・・。趣味みたいな話だけど。
もうすこし複雑系について調べないといけないかなぁ・・・
複雑系入門―知のフロンティアへの冒険
[著者]
井庭 崇、福原 義久
[出版社]
NTT出版
[出版年]
1998年3月
[ノートor原著情報]
[要約]
Part I 『複雑系』科学
Chapter 1 『複雑系』とは何か?
1.1 疑問形から始まる
1.2 世界の階層構造
1.3 固有名詞としての『複雑系』
1.4 創発
1.5 『複雑系』理解への道
Chapter 2 『複雑系』科学の位置
2.1 個別科学とその階層性
2.2 『複雑系』科学の位置
2.3 『複雑系』科学は科学革命を起こしたか?
Chapter 3 『複雑系』科学の方法論
3.1 構成的手法によるアプローチ
3.2 シミュレーション
3.3 アナロジー
3.4 『複雑系』を研究しなければ『複雑系』科学ではない
3.5 「理解の仕方」を理解する
Part II 複雑性の現象
Chapter 4 フラクタル
4.1 フラクタルの発見―海岸の長さはどうやって測るのか?
4.2 自己相似性―フラクタル図形
4.3 フラクタル次元
4.4 自然の中のフラクタル
4.5 自己相似性を用いて自然の風景を再現する
4.6 『複雑系』科学とフラクタル
Chapter 5 自己組織的臨界状態
5.1 砂山の雪崩に隠された規則
5.2 自然、社会の中にみられるべき乗法則
5.3 『複雑系』科学と自己組織的臨界状態
Chapter 6 カオス
6.1 決定論と非決定論
6.2 カオスとバタフライ効果
6.3 カオスの生成
6.4 動的な振る舞いの把握
6.5 カオスのアトラクタ
6.6 カオス生成の原理と特徴
6.7 『複雑系』科学における「カオス」の位置
Chapter 7 カオスの縁
7.1 セル・オートマトン
7.2 1次元セル・オートマトンとクラス分類
7.3 λパラメータとカオスの縁
7.4 λパラメータと複雑さ
7.5 カオスの縁
Part III 複雑適応系
Chapter 8 複雑適応系
8.1 複雑適応系
8.2 スキーマと適応度地形
8.3 集合的複雑適応系
8.4 適応的エージェント
8.5 複雑適応系と『複雑系』
Chapter 9 進化と遺伝的アルゴリズム
9.1 遺伝子という情報
9.2 ダーウィンの進化論と利己的遺伝子
9.3 遺伝的アルゴリズム
9.4 遺伝的アルゴリズムの実行の簡単な例
9.5 遺伝的アルゴリズムは何をしているのか
Chapter 10 カウフマンネットワーク
10.1 自然淘汰と自己組織化
10.2 自発的な生命の起源
10.3 遺伝子ネットワークの自発的秩序
10.4 遺伝子の非線形性と適応度地形
10.5 カオスの縁への自己組織化
Chapter 11 ニューラルネットワーク
11.1 脳とその構造
11.2 ニューラルネットワークのモデル
11.3 パーセプトロンによる学習
11.4 多層パーセプトロン
11.5 ニューラルネットワークは何をしているのか
11.6 他モデルと今後
Part IV 『複雑系』科学のフロンティア
Chapter 12 『複雑系』経済学
12.1 The Future of Economics
12.2 新古典派経済学
12.3 『複雑系』経済学
12.4 構成要素:主体の内部を見つめ直す
12.5 要素のつながり:ダイナミックなネットワークとしての経済
12.6 時間発展と進化:歴史性の重視
12.7 経済学における構成的研究事例
12.8 『複雑系』経済学はどこへいくのか
Chapter 13 人工生命
13.1 「可能な生命」という観点
13.2 コンピュータ上の生命
13.3 ボイド:群れのシミュレーション
13.4 すり抜けてしまった生命性
13.5 『複雑系』科学における人工生命研究
13.6 人工生命研究はどこに向かうのか
Chapter 14 カオス結合系
14.1 カオスをつなぐとは?
14.2 カオス結合モデル
14.3 カオス的遍歴
14.4 カオス結合系と脳
Chapter 15 内部観測
15.1 観測について考え直す
15.2 局所的な要素と内部観測
15.3 観測志向型理論
15.4 内部観測による時間発展モデル
15.5 創発とは矛盾を疑似的に解決すること
15.6 選択領域外部からの選択
15.7 観測志向理論への道
Part V 『複雑系』研究への道標
16.1 現在の「複雑系」科学再考
16.2 理解の新しい方法
16.3 科学の枠が広がるか、それとも・・・
[感想]
「創発」という言葉に興味をもって読んでみた。
本当に入門編・概論といった感じ。
だけど、入門者の自分としてはいろいろと勉強になった。
・「内部観測」という視点はアクション・リサーチの話にもつながる。
・局所的に決めたルールを積み上げることで、全体としての秩序があるかのように見えてくる。それが創発。
・創発は還元主義ではとらえきれない話。還元主義の下に個別の要素を研究するんだけど、それをいくら積み上げても全体秩序は説明できない。
・まさに個人と集団の関係は複雑系といえる。
・個人的には、シミュレーションであったり、遺伝的アルゴリズムであったり、ニューラルネットワークであったりといった手法を使った研究をしてみたいなぁ・・・。趣味みたいな話だけど。
もうすこし複雑系について調べないといけないかなぁ・・・
2012年5月20日日曜日
構造こわし 組織変革の心理学
[タイトル]
構造こわし 組織変革の心理学
[著者]
古川 久敬
[出版社]
誠信書房
[出版年]
1990
[ノートor原著情報]
[要約]
―目次―
1章
変化と心理的抵抗
1節 変化認知のメカニズム
2節 変化に対する心理的抵抗
3節 変化とリスクテイキング
4節 変化への心理的抵抗を生み出すもの
5節 本書のねらいと構成について
2章
変化の時代と組織の創造的変革
1節 変わる環境と組織の変革
2節 企業組織のライフサイクルを左右する要因
3節 いま管理者に求められている新しい役割
3章
マルチループの組織学習による組織の変革
1節 組織学習について
2節 三つのタイプの組織学習
3節 変革型マネジメント
4章
職場集団の硬直と衰弱
1節 「集団年齢」―職場集団にも年齢がある
2節 情報と集団活力
3節 異なる「集団年齢」を持つ集団の特徴
4節 集団年齢に応じたリーダー行動
5章
集団の変動ダイナミズム
1節 職場集団のもつハードおよびソフトな構造
2節 ソフト構造とプレッシャー
3節 創造的な集団変動―ソフト構造の変容
4節 集団変動を促進する要因
5節 集団内のコンフリクト
6章
職場を変革する構造こわし行動
1節 組織変革の進行プロセス
2節 職場変革のための構造こわし理論
7章
構造こわしの実践手順
1節 構造こわしの準備段階
2節 構造こわしの導入段階
3節 構造こわしの実践段階
4節 継続的な構造こわし行動
5節 変革にともなう心理的抵抗の予知と克服
8章
意識変化のメカニズム
1節 態度変化のメカニズム
2節 態度変容を促進するためのふたつの方策
3節 内発的意欲の発生メカニズム
[感想]
まあ、もう古典だよね・・・
本全体で面白いなぁと思ったのは、とにかく「上司」というもののパワーを最大限発揮することによって組織の変革が行われていくということ。
たしかにそうだよね。
トップダウンが一番手っ取り早いかも。ボトムアップとは言いながら、それをオーソライズして展開していくのはトップの役目!
ふと思った。
説得や研修などで、色々と知識を与えたねを植えて、芽吹きまで行ったとしても、普段の職務環境は何も変わらず、職務内容も何も変わらず、なのであれば、その中で行動はなかなか変わらない。もちろん、主体が行動をほんの少し変えてみることで環境も変わっていったりすることもあるが、「普段に戻った時」には「職務環境」「職務内容」「周囲の目」は、戻ってきたメンバに対して「それまでと同じように行動」するように促す(そのことを期待する・予期して回りが動く・状況は変わらないダイナミズムで動く)。
芽吹きがあっても、日々の行動が前と同じなのであれば、やがてその芽吹きは枯れていく。元の木阿弥にもどる。。。
そうならないように、研修や説得を行うっともに、具体的な外界への働きかけ(すでにあるダイナミズムに抵抗して強い意志で本人が行動を変えることも含めて)していかなければならない。
もちろん説得の過程で、本人のダイナミズムの捉え方を変える・認知を変えるということもあり得る。結局、「状況のダイナミズム」は行動主体の心の中にあるもの。認知的なモノ。なので、主体が認知を変えれば「状況のダイナミズム」も「変化」する。
以下、いくつかのフレーズを引用・・・
P.95
集団は時間の経過とともに、それが現在抱えている課題にもっともふさわしい独自の集団構造をもつようになる。当然、それによって効率が高まり、したがって生産性もぐんと向上する。ところが、環境に変動が起こり、遂行すべき課題が質の点でガラリと変わると、かつて効果を上げた集団構造や遂行方法が、皮肉にも大きな「足かせ」となり、むしろ妨害的に働いてしまう可能性をもつ
P.103
(1) 職場の集団年齢が高まると革新指向性は低下する傾向を見せるものの、必ずしも革新指向性の最大の決定因とはなっていないようである。・・・すなわちたとえ職場集団の集団年齢が高まったとしても、意図的な働きかけを行うことによって(職場内の仕事コミュニケーションのあり方を見直すなど)、職場は活性化され得る。
(2) 個人レベルの革新指向性と集団レベルの革新指向性では・・・その源泉が異なっていることがうかがえる。個人レベルのそれは、職務の特性や、仕事の上で関係をもつ他職場との接触が関与しているようであるし、集団レベルのそれは、上下間のコミュニケーションの如何が強く関与しているようである。
(3) 上司個人の革新指向性の強さは、職場成員の個人および集団レベルの革新指向性の高さと直接的には関係がなかった。むしろ、上司―部下の仕事コミュニケーションの質や内容、すなわち「部下とどのようなことを、どのように話しているか」が革新指向性の強さを決めているようである。
(4) 職場のっ規模が革新指向性に及ぼす影響は、職場内のコミュニケーションのあり方によってキャンセルさせれてしまうようである。
PP.111-117・・・組織の成長と老化の過程のモデル。
(特に、、、)
老年期の集団―判断や決定の自動化
・・・問題は、会話やコミュニケーションの内容、中身である。その集団が抱えている課題を、いかに工夫を凝らしながらより効果的に遂行するかとか、新しく行うべき課題や企画を積極的に議論し、検討するとか、あるいは業務改善の方法を皆で案出するなどというような前向きで、課題指向的な内容を持つコミュニケーションはほとんどまったく姿を消している。そしてその代りに、仕事とは関係のない、趣味や遊び、それにレジャーの話などが主体となっている。「昨日、何して遊んだ」「今度、何して楽しむ」などの会話だけがあふれている。もちろんこの種の会話だって、人びとの情緒的な安定をはかり相互の親密さを増すうえで不可欠のものではあるが、ほとんどこれだけに偏ってしまっていることが多い。そして、楽しくはあるが、変化に背を向けた発展や進歩のない、活力を喪失した職場になってしまいやすい
構造こわし 組織変革の心理学
[著者]
古川 久敬
[出版社]
誠信書房
[出版年]
1990
[ノートor原著情報]
[要約]
―目次―
1章
変化と心理的抵抗
1節 変化認知のメカニズム
2節 変化に対する心理的抵抗
3節 変化とリスクテイキング
4節 変化への心理的抵抗を生み出すもの
5節 本書のねらいと構成について
2章
変化の時代と組織の創造的変革
1節 変わる環境と組織の変革
2節 企業組織のライフサイクルを左右する要因
3節 いま管理者に求められている新しい役割
3章
マルチループの組織学習による組織の変革
1節 組織学習について
2節 三つのタイプの組織学習
3節 変革型マネジメント
4章
職場集団の硬直と衰弱
1節 「集団年齢」―職場集団にも年齢がある
2節 情報と集団活力
3節 異なる「集団年齢」を持つ集団の特徴
4節 集団年齢に応じたリーダー行動
5章
集団の変動ダイナミズム
1節 職場集団のもつハードおよびソフトな構造
2節 ソフト構造とプレッシャー
3節 創造的な集団変動―ソフト構造の変容
4節 集団変動を促進する要因
5節 集団内のコンフリクト
6章
職場を変革する構造こわし行動
1節 組織変革の進行プロセス
2節 職場変革のための構造こわし理論
7章
構造こわしの実践手順
1節 構造こわしの準備段階
2節 構造こわしの導入段階
3節 構造こわしの実践段階
4節 継続的な構造こわし行動
5節 変革にともなう心理的抵抗の予知と克服
8章
意識変化のメカニズム
1節 態度変化のメカニズム
2節 態度変容を促進するためのふたつの方策
3節 内発的意欲の発生メカニズム
[感想]
まあ、もう古典だよね・・・
本全体で面白いなぁと思ったのは、とにかく「上司」というもののパワーを最大限発揮することによって組織の変革が行われていくということ。
たしかにそうだよね。
トップダウンが一番手っ取り早いかも。ボトムアップとは言いながら、それをオーソライズして展開していくのはトップの役目!
ふと思った。
説得や研修などで、色々と知識を与えたねを植えて、芽吹きまで行ったとしても、普段の職務環境は何も変わらず、職務内容も何も変わらず、なのであれば、その中で行動はなかなか変わらない。もちろん、主体が行動をほんの少し変えてみることで環境も変わっていったりすることもあるが、「普段に戻った時」には「職務環境」「職務内容」「周囲の目」は、戻ってきたメンバに対して「それまでと同じように行動」するように促す(そのことを期待する・予期して回りが動く・状況は変わらないダイナミズムで動く)。
芽吹きがあっても、日々の行動が前と同じなのであれば、やがてその芽吹きは枯れていく。元の木阿弥にもどる。。。
そうならないように、研修や説得を行うっともに、具体的な外界への働きかけ(すでにあるダイナミズムに抵抗して強い意志で本人が行動を変えることも含めて)していかなければならない。
もちろん説得の過程で、本人のダイナミズムの捉え方を変える・認知を変えるということもあり得る。結局、「状況のダイナミズム」は行動主体の心の中にあるもの。認知的なモノ。なので、主体が認知を変えれば「状況のダイナミズム」も「変化」する。
以下、いくつかのフレーズを引用・・・
P.95
集団は時間の経過とともに、それが現在抱えている課題にもっともふさわしい独自の集団構造をもつようになる。当然、それによって効率が高まり、したがって生産性もぐんと向上する。ところが、環境に変動が起こり、遂行すべき課題が質の点でガラリと変わると、かつて効果を上げた集団構造や遂行方法が、皮肉にも大きな「足かせ」となり、むしろ妨害的に働いてしまう可能性をもつ
P.103
(1) 職場の集団年齢が高まると革新指向性は低下する傾向を見せるものの、必ずしも革新指向性の最大の決定因とはなっていないようである。・・・すなわちたとえ職場集団の集団年齢が高まったとしても、意図的な働きかけを行うことによって(職場内の仕事コミュニケーションのあり方を見直すなど)、職場は活性化され得る。
(2) 個人レベルの革新指向性と集団レベルの革新指向性では・・・その源泉が異なっていることがうかがえる。個人レベルのそれは、職務の特性や、仕事の上で関係をもつ他職場との接触が関与しているようであるし、集団レベルのそれは、上下間のコミュニケーションの如何が強く関与しているようである。
(3) 上司個人の革新指向性の強さは、職場成員の個人および集団レベルの革新指向性の高さと直接的には関係がなかった。むしろ、上司―部下の仕事コミュニケーションの質や内容、すなわち「部下とどのようなことを、どのように話しているか」が革新指向性の強さを決めているようである。
(4) 職場のっ規模が革新指向性に及ぼす影響は、職場内のコミュニケーションのあり方によってキャンセルさせれてしまうようである。
PP.111-117・・・組織の成長と老化の過程のモデル。
(特に、、、)
老年期の集団―判断や決定の自動化
・・・問題は、会話やコミュニケーションの内容、中身である。その集団が抱えている課題を、いかに工夫を凝らしながらより効果的に遂行するかとか、新しく行うべき課題や企画を積極的に議論し、検討するとか、あるいは業務改善の方法を皆で案出するなどというような前向きで、課題指向的な内容を持つコミュニケーションはほとんどまったく姿を消している。そしてその代りに、仕事とは関係のない、趣味や遊び、それにレジャーの話などが主体となっている。「昨日、何して遊んだ」「今度、何して楽しむ」などの会話だけがあふれている。もちろんこの種の会話だって、人びとの情緒的な安定をはかり相互の親密さを増すうえで不可欠のものではあるが、ほとんどこれだけに偏ってしまっていることが多い。そして、楽しくはあるが、変化に背を向けた発展や進歩のない、活力を喪失した職場になってしまいやすい
2012年3月25日日曜日
フィールドワーク 書を持って街へ出かけよう
[タイトル]
フィールドワーク 書を持って街へ出かけよう
[著者]
佐藤 郁哉
[出版社]
新曜社
[出版年]
1992年
[ノートor原著情報]
[要約]
[感想]
ブックオフで105円で買った掘り出し物(笑)
参与観察を中心としたフィールドワークに求められる心構えを中心に
解説してくれている。
本当に参考になる。
自分自身、参与観察をしていて、自分自身のアイデンティティが揺らいだり
相手との関係性をどのように築くか、維持するか、
相手との信頼関係をどうするか、
近づきすぎず、遠ざからずという関係をいかに維持するか
そういう点に対して、もうとんでもないストレスを感じた。
なんとなく、ものすごい針に糸を通すような繊細な関係の間を縫っていかないといけないことに、
ものすごく難しいなぁと思ったんだけど、
この本で、誰もが感じるむずかしさなんだということがわかった。
ちょっと安心した(笑)
あと、研究の方法論として、
参与観察は方法としてもっておくんだけど、
やっぱり、なんとなく思うのは
目の前にある疑問点を明らかにするために適した方法をとるべきで
質的研究で、とか量的研究でとかって、それらにこだわるのはどうだろう
とか思ったりする。
それぞれの方法には一長一短というか、
何ができて、何ができないか、があるんだから、
それらを理解して、適切に目的に応じて方法論を変えるべきだろう。
そのためにも、研究の方法のレパートリーは増やしておくべきなんだろうね~。
フィールドワーク 書を持って街へ出かけよう
[著者]
佐藤 郁哉
[出版社]
新曜社
[出版年]
1992年
[ノートor原著情報]
[要約]
[感想]
ブックオフで105円で買った掘り出し物(笑)
参与観察を中心としたフィールドワークに求められる心構えを中心に
解説してくれている。
本当に参考になる。
自分自身、参与観察をしていて、自分自身のアイデンティティが揺らいだり
相手との関係性をどのように築くか、維持するか、
相手との信頼関係をどうするか、
近づきすぎず、遠ざからずという関係をいかに維持するか
そういう点に対して、もうとんでもないストレスを感じた。
なんとなく、ものすごい針に糸を通すような繊細な関係の間を縫っていかないといけないことに、
ものすごく難しいなぁと思ったんだけど、
この本で、誰もが感じるむずかしさなんだということがわかった。
ちょっと安心した(笑)
あと、研究の方法論として、
参与観察は方法としてもっておくんだけど、
やっぱり、なんとなく思うのは
目の前にある疑問点を明らかにするために適した方法をとるべきで
質的研究で、とか量的研究でとかって、それらにこだわるのはどうだろう
とか思ったりする。
それぞれの方法には一長一短というか、
何ができて、何ができないか、があるんだから、
それらを理解して、適切に目的に応じて方法論を変えるべきだろう。
そのためにも、研究の方法のレパートリーは増やしておくべきなんだろうね~。
2012年1月1日日曜日
現代の認知心理学4 注意と安全
[タイトル]
現代の認知心理学4 注意と安全
[著者]
原田 悦子、篠原 一光 編著
[出版社]
北大路書房
[出版年]
2011
[ノートor原著情報]
[要約]
大きく三部構成。
1 章から4 章までが「基礎と理論」、5 章と6 章が「発達・加齢と注意」、7 章以降が「安全管理とヒューマンファクター」。
第1 パート(1 章から4 章まで)では、まず注意に関する研究の歴史(注意研究がスタートしたきっかけや今日までの流れ)が展望されるとともに、現時点で一般に合意されている注意に関する認知モデルが紹介される。
ついで、注意に関する脳神経科学での臨床的知見と認知心理実験に基づく知見との関係や、記憶(特にワーキングメモリ)と注意についてのそれぞれの概念の関係、外的に観察可能な行動や計測可能な眼球運動と注意の関係が紹介される。
第2 パート(5 章と6 章)では、まず主に乳児期から幼児期までを対象とした注意の発達過程についての研究が紹介される。ついで加齢にともなう認知機能の変化を説明するモデルが紹介される。
第3 パート(7 章以降)では、まず、「メンタルワークロード」という概念についての詳細な説明がなされる。続いてヒューマンエラーというものについての一般的・全体的な概説がなされた後、注意とヒューマンエラーの関係について紹介される。次いで、実務組織における安全とヒューマンエラーの関係やリスクテイキングの理論が紹介される。その後、具体的な実務場面として医療場面におけるヒューマンエラーや事故、さらにはそれらを防止するために現在取られている対策が紹介される。最後に、状況認識(SituationAwareness)という概念について紹介・解説がなされる。
[感想]
→ HI学会に投稿した書評を参照・・・
現代の認知心理学4 注意と安全
[著者]
原田 悦子、篠原 一光 編著
[出版社]
北大路書房
[出版年]
2011
[ノートor原著情報]
[要約]
大きく三部構成。
1 章から4 章までが「基礎と理論」、5 章と6 章が「発達・加齢と注意」、7 章以降が「安全管理とヒューマンファクター」。
第1 パート(1 章から4 章まで)では、まず注意に関する研究の歴史(注意研究がスタートしたきっかけや今日までの流れ)が展望されるとともに、現時点で一般に合意されている注意に関する認知モデルが紹介される。
ついで、注意に関する脳神経科学での臨床的知見と認知心理実験に基づく知見との関係や、記憶(特にワーキングメモリ)と注意についてのそれぞれの概念の関係、外的に観察可能な行動や計測可能な眼球運動と注意の関係が紹介される。
第2 パート(5 章と6 章)では、まず主に乳児期から幼児期までを対象とした注意の発達過程についての研究が紹介される。ついで加齢にともなう認知機能の変化を説明するモデルが紹介される。
第3 パート(7 章以降)では、まず、「メンタルワークロード」という概念についての詳細な説明がなされる。続いてヒューマンエラーというものについての一般的・全体的な概説がなされた後、注意とヒューマンエラーの関係について紹介される。次いで、実務組織における安全とヒューマンエラーの関係やリスクテイキングの理論が紹介される。その後、具体的な実務場面として医療場面におけるヒューマンエラーや事故、さらにはそれらを防止するために現在取られている対策が紹介される。最後に、状況認識(SituationAwareness)という概念について紹介・解説がなされる。
[感想]
→ HI学会に投稿した書評を参照・・・
2011年10月17日月曜日
安全。でも、安心できない・・・。—信頼をめぐる心理学
[タイトル]
安全。でも、安心できない・・・。—信頼をめぐる心理学
[著者]
中谷内一也
[出版社]
ちくま新書
[出版年]
2008年10月
[ノートor原著情報]
Noting
[要約&感想]
「安心」というものがいかに築かれるのか。社会の安心をいかにGetするか、という点に興味があって読んでみた。
前の山岸先生の「安心社会から信頼社会へ」に引き続いて読んだ本。
安心というものは、結局今日の分業社会では分業者がきちんと仕事をしてくれる、と思えるか。すなわち「信頼できるか」と同義である。
信頼を規程するもの
・能力・知識
・・・仕事をうまく遂行するための能力・知識をもっていること
・動機づけ・姿勢
・・・仕事をうまく遂行することに対しての動機づけ・誠実性がたかいこと
・価値類似性
・・・「仕事をうまく遂行する」ということについての価値観が同じであること。同じ目標をみれていること。
特に本書で主張している点は、これらの3点は実際に「信頼される側」の特性として「これらが必要」というのではなく、「信頼する側」が「信頼される側」に対してこれらを感じれるかという点。すなわち、「信頼される側」のインタフェースが大切だといっている。
そこから、リスクコミュニケーションであったり、情報公開であったりが大切となる。
社会が如何にリスク管理組織を信頼するか、非常に難しい問題だ・・・。
安全。でも、安心できない・・・。—信頼をめぐる心理学
[著者]
中谷内一也
[出版社]
ちくま新書
[出版年]
2008年10月
[ノートor原著情報]
Noting
[要約&感想]
「安心」というものがいかに築かれるのか。社会の安心をいかにGetするか、という点に興味があって読んでみた。
前の山岸先生の「安心社会から信頼社会へ」に引き続いて読んだ本。
安心というものは、結局今日の分業社会では分業者がきちんと仕事をしてくれる、と思えるか。すなわち「信頼できるか」と同義である。
信頼を規程するもの
・能力・知識
・・・仕事をうまく遂行するための能力・知識をもっていること
・動機づけ・姿勢
・・・仕事をうまく遂行することに対しての動機づけ・誠実性がたかいこと
・価値類似性
・・・「仕事をうまく遂行する」ということについての価値観が同じであること。同じ目標をみれていること。
特に本書で主張している点は、これらの3点は実際に「信頼される側」の特性として「これらが必要」というのではなく、「信頼する側」が「信頼される側」に対してこれらを感じれるかという点。すなわち、「信頼される側」のインタフェースが大切だといっている。
そこから、リスクコミュニケーションであったり、情報公開であったりが大切となる。
社会が如何にリスク管理組織を信頼するか、非常に難しい問題だ・・・。
保守事故—ヒューマンエラーの未然防止のマネジメント
[タイトル]
保守事故—ヒューマンエラーの未然防止のマネジメント
[著者]
ジェームズ・リーズン、アラン・ホッブス (監訳:高野研一)
[出版社]
日科技連出版社
[出版年]
2005年7月
[ノートor原著情報]
Managing Maintenance Error : A Practical Guide
James Reason, Alan Hobbs,
Ashgate Publishing Limited.,
2003.
[要約&感想]
組織事故と対比して捉えたくなるタイトルだが、対比というより発展的内容。いや、その後の研究の棚卸といったほうが正確か。
「自動化が進んでも、自動システムのメンテナンスは人がする」ということからMaintenance Errorなのだろう。
エラーは状況に依存している、というだけでなくて、違反すらも状況に依存した違反というものが存在しているという指摘。ETTO原理に通じる話でもある。Efficiencyが求められる状況において、「それにこたえなければ」と思ってしまうと、ちょっとした確認行為でも「この部分は大抵大丈夫だ、今の状況では問題ないはずだ、たぶん、これは大丈夫だ」とおもって省略する。大抵の場合、本当に大丈夫なのであるが、それが偶々悪かった場合に、「違反」として浮かび上がってしまう。ただ、それは罰せられるべき違反なのだろうか?人ならば仕方がないはず。
Practical Guideとあるように、概念論に終始した組織事故よりも実践的な話が多くのっている。
特にオミッションエラーについてはかなり実践的な方法を引き出してくれるような話も乗っている。
リーズンもエラーマネジメントが大切だといっている点は興味深い。
要するに、事前の構えを築くことが大切だということ。ここで思ったのは、「結局個人の話か?」という質問。それに対しては、私自身としては、こう答えるか。
「心の中でのリハーサルは個人過程だが、それを呼び起こすのは職場の空気であったり、場の設計で、それはマネジャーの仕事」。
・・・なんとなく、人をマネジメントするのって、磁石の車を同じ極の磁石を使って動かすのに似ているよね。回りをコントロールして初めてうまく動いてくれる。無理やり引っ張ろうとしても、引っ張るための力がそれだけ必要になる。
また、スウェーデンの企業での取り組みの紹介は、非常に興味深い。
最後の方でレジリエンスという言葉にも触れていて、それへのチェックリストなども上がっている。これはまた詳しく見とこう。
なんとなく、
「ヒューマン・エラー」⇒「組織事故」⇒「保守事故」⇒「レジリエンスと組織事故」の流れで捉えると、リーズンの考え方の発展が分かる。
特に「保守事故」での安全文化の記述では、組織事故の時と違って3つの文化で構成されると書いてある。(組織事故のときは4つだった)
・正義の文化
・報告の文化
・学習の文化
組織事故では「柔軟の文化」が含められていた。⇒これに関しては、芳賀先生がこの間の電子情報通信学会の安全性研究会で触れていたのは興味深い。
「保守事故」では、学習の文化をアージリスの知見を元にしながら、組織事故のときよりも分厚く展開している。ダブルループ学習について。
また、正義の文化では、「裁くべきものは裁かないといけない」というのも言っている。
保守事故—ヒューマンエラーの未然防止のマネジメント
[著者]
ジェームズ・リーズン、アラン・ホッブス (監訳:高野研一)
[出版社]
日科技連出版社
[出版年]
2005年7月
[ノートor原著情報]
Managing Maintenance Error : A Practical Guide
James Reason, Alan Hobbs,
Ashgate Publishing Limited.,
2003.
[要約&感想]
組織事故と対比して捉えたくなるタイトルだが、対比というより発展的内容。いや、その後の研究の棚卸といったほうが正確か。
「自動化が進んでも、自動システムのメンテナンスは人がする」ということからMaintenance Errorなのだろう。
エラーは状況に依存している、というだけでなくて、違反すらも状況に依存した違反というものが存在しているという指摘。ETTO原理に通じる話でもある。Efficiencyが求められる状況において、「それにこたえなければ」と思ってしまうと、ちょっとした確認行為でも「この部分は大抵大丈夫だ、今の状況では問題ないはずだ、たぶん、これは大丈夫だ」とおもって省略する。大抵の場合、本当に大丈夫なのであるが、それが偶々悪かった場合に、「違反」として浮かび上がってしまう。ただ、それは罰せられるべき違反なのだろうか?人ならば仕方がないはず。
Practical Guideとあるように、概念論に終始した組織事故よりも実践的な話が多くのっている。
特にオミッションエラーについてはかなり実践的な方法を引き出してくれるような話も乗っている。
リーズンもエラーマネジメントが大切だといっている点は興味深い。
要するに、事前の構えを築くことが大切だということ。ここで思ったのは、「結局個人の話か?」という質問。それに対しては、私自身としては、こう答えるか。
「心の中でのリハーサルは個人過程だが、それを呼び起こすのは職場の空気であったり、場の設計で、それはマネジャーの仕事」。
・・・なんとなく、人をマネジメントするのって、磁石の車を同じ極の磁石を使って動かすのに似ているよね。回りをコントロールして初めてうまく動いてくれる。無理やり引っ張ろうとしても、引っ張るための力がそれだけ必要になる。
また、スウェーデンの企業での取り組みの紹介は、非常に興味深い。
最後の方でレジリエンスという言葉にも触れていて、それへのチェックリストなども上がっている。これはまた詳しく見とこう。
なんとなく、
「ヒューマン・エラー」⇒「組織事故」⇒「保守事故」⇒「レジリエンスと組織事故」の流れで捉えると、リーズンの考え方の発展が分かる。
特に「保守事故」での安全文化の記述では、組織事故の時と違って3つの文化で構成されると書いてある。(組織事故のときは4つだった)
・正義の文化
・報告の文化
・学習の文化
組織事故では「柔軟の文化」が含められていた。⇒これに関しては、芳賀先生がこの間の電子情報通信学会の安全性研究会で触れていたのは興味深い。
「保守事故」では、学習の文化をアージリスの知見を元にしながら、組織事故のときよりも分厚く展開している。ダブルループ学習について。
また、正義の文化では、「裁くべきものは裁かないといけない」というのも言っている。
2011年8月23日火曜日
安心社会から信頼社会へ
[タイトル]
安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方
[著者]
山岸 俊男
[出版社]
中公新書
[出版年]
1999
[ノートor原著情報]
[要約&感想]
「信頼」という言葉について調べたくて読んでみた本。
きっかけは、論文DBにもあるJR東日本のテクニカルレビューの基調論文から。
内容は、実際の研究成果を数字で示していて、非常にサイエンティフィックで興味深いもの。
そもそもの議論のスタートは「人をみたら泥棒と思え」で馬鹿をみるのか、得をするのか。
この本で主張しているのは、
・安心と信頼は根本的に異なるものである。
・安心とはそもそも相手の行動予測に不確実性が無い状態を認知した、それによって自分に危害が及ばないを認知したことによっておこる感情状態ことを指す
・信頼とは相手の行動予測において不確実性が存在する中で相手を「悪いことはしないだろう」と期待している時の感情状態のことを指す。
・過去の日本においては、閉鎖的なコミュニティを形成すること、集団主義社会を形成ことによって「安心」を得ていた。すなわち、閉鎖的なコミュニティを形成することによって、相互に相手の行動を監視しあったり、集団による血の掟のような規範で行動の不確実性を低減させることの方が適応的であった。そのための機会費用(維持コスト)と取引費用(導入コスト)の面からメリットがあった。
・しかしこれらかの社会においては、人やモノ、情報の入れ替わりが激しくなっており、閉鎖的なコミュニティを維持するための機会費用と取引費用のバランスが崩れ、閉鎖的なコミュニティを維持するためのコストが非常に大きなものとなるため、信頼による社会形成がより適応的となるのではないか。
面白い点は、色々な調査の結果から、「日本人はアメリカ人に比べて他人を信用しない傾向にある」や「他人を信用しない人ほど、人間関係に敏感になる」という結果。面白い。
安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方
[著者]
山岸 俊男
[出版社]
中公新書
[出版年]
1999
[ノートor原著情報]
[要約&感想]
「信頼」という言葉について調べたくて読んでみた本。
きっかけは、論文DBにもあるJR東日本のテクニカルレビューの基調論文から。
内容は、実際の研究成果を数字で示していて、非常にサイエンティフィックで興味深いもの。
そもそもの議論のスタートは「人をみたら泥棒と思え」で馬鹿をみるのか、得をするのか。
この本で主張しているのは、
・安心と信頼は根本的に異なるものである。
・安心とはそもそも相手の行動予測に不確実性が無い状態を認知した、それによって自分に危害が及ばないを認知したことによっておこる感情状態ことを指す
・信頼とは相手の行動予測において不確実性が存在する中で相手を「悪いことはしないだろう」と期待している時の感情状態のことを指す。
・過去の日本においては、閉鎖的なコミュニティを形成すること、集団主義社会を形成ことによって「安心」を得ていた。すなわち、閉鎖的なコミュニティを形成することによって、相互に相手の行動を監視しあったり、集団による血の掟のような規範で行動の不確実性を低減させることの方が適応的であった。そのための機会費用(維持コスト)と取引費用(導入コスト)の面からメリットがあった。
・しかしこれらかの社会においては、人やモノ、情報の入れ替わりが激しくなっており、閉鎖的なコミュニティを維持するための機会費用と取引費用のバランスが崩れ、閉鎖的なコミュニティを維持するためのコストが非常に大きなものとなるため、信頼による社会形成がより適応的となるのではないか。
面白い点は、色々な調査の結果から、「日本人はアメリカ人に比べて他人を信用しない傾向にある」や「他人を信用しない人ほど、人間関係に敏感になる」という結果。面白い。
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