2012年5月20日日曜日

構造こわし 組織変革の心理学

[タイトル]
構造こわし 組織変革の心理学

[著者]
古川 久敬

[出版社]
誠信書房

[出版年]
1990

[ノートor原著情報]

[要約]
―目次―
1章
 変化と心理的抵抗
  1節 変化認知のメカニズム
  2節 変化に対する心理的抵抗
  3節 変化とリスクテイキング
  4節 変化への心理的抵抗を生み出すもの
  5節 本書のねらいと構成について
2章
 変化の時代と組織の創造的変革
  1節 変わる環境と組織の変革
  2節 企業組織のライフサイクルを左右する要因
  3節 いま管理者に求められている新しい役割
3章
 マルチループの組織学習による組織の変革
  1節 組織学習について
  2節 三つのタイプの組織学習
  3節 変革型マネジメント
4章
 職場集団の硬直と衰弱
  1節 「集団年齢」―職場集団にも年齢がある
  2節 情報と集団活力
  3節 異なる「集団年齢」を持つ集団の特徴
  4節 集団年齢に応じたリーダー行動
5章
 集団の変動ダイナミズム
  1節 職場集団のもつハードおよびソフトな構造
  2節 ソフト構造とプレッシャー
  3節 創造的な集団変動―ソフト構造の変容
  4節 集団変動を促進する要因
  5節 集団内のコンフリクト
6章
 職場を変革する構造こわし行動
  1節 組織変革の進行プロセス
  2節 職場変革のための構造こわし理論
7章
 構造こわしの実践手順
  1節 構造こわしの準備段階
  2節 構造こわしの導入段階
  3節 構造こわしの実践段階
  4節 継続的な構造こわし行動
  5節 変革にともなう心理的抵抗の予知と克服
8章
 意識変化のメカニズム
  1節 態度変化のメカニズム
  2節 態度変容を促進するためのふたつの方策
  3節 内発的意欲の発生メカニズム


[感想]
まあ、もう古典だよね・・・
本全体で面白いなぁと思ったのは、とにかく「上司」というもののパワーを最大限発揮することによって組織の変革が行われていくということ。
たしかにそうだよね。
トップダウンが一番手っ取り早いかも。ボトムアップとは言いながら、それをオーソライズして展開していくのはトップの役目!

ふと思った。
説得や研修などで、色々と知識を与えたねを植えて、芽吹きまで行ったとしても、普段の職務環境は何も変わらず、職務内容も何も変わらず、なのであれば、その中で行動はなかなか変わらない。もちろん、主体が行動をほんの少し変えてみることで環境も変わっていったりすることもあるが、「普段に戻った時」には「職務環境」「職務内容」「周囲の目」は、戻ってきたメンバに対して「それまでと同じように行動」するように促す(そのことを期待する・予期して回りが動く・状況は変わらないダイナミズムで動く)。
芽吹きがあっても、日々の行動が前と同じなのであれば、やがてその芽吹きは枯れていく。元の木阿弥にもどる。。。
そうならないように、研修や説得を行うっともに、具体的な外界への働きかけ(すでにあるダイナミズムに抵抗して強い意志で本人が行動を変えることも含めて)していかなければならない。
もちろん説得の過程で、本人のダイナミズムの捉え方を変える・認知を変えるということもあり得る。結局、「状況のダイナミズム」は行動主体の心の中にあるもの。認知的なモノ。なので、主体が認知を変えれば「状況のダイナミズム」も「変化」する。



以下、いくつかのフレーズを引用・・・
P.95
集団は時間の経過とともに、それが現在抱えている課題にもっともふさわしい独自の集団構造をもつようになる。当然、それによって効率が高まり、したがって生産性もぐんと向上する。ところが、環境に変動が起こり、遂行すべき課題が質の点でガラリと変わると、かつて効果を上げた集団構造や遂行方法が、皮肉にも大きな「足かせ」となり、むしろ妨害的に働いてしまう可能性をもつ

P.103
(1) 職場の集団年齢が高まると革新指向性は低下する傾向を見せるものの、必ずしも革新指向性の最大の決定因とはなっていないようである。・・・すなわちたとえ職場集団の集団年齢が高まったとしても、意図的な働きかけを行うことによって(職場内の仕事コミュニケーションのあり方を見直すなど)、職場は活性化され得る。
(2) 個人レベルの革新指向性と集団レベルの革新指向性では・・・その源泉が異なっていることがうかがえる。個人レベルのそれは、職務の特性や、仕事の上で関係をもつ他職場との接触が関与しているようであるし、集団レベルのそれは、上下間のコミュニケーションの如何が強く関与しているようである。
(3) 上司個人の革新指向性の強さは、職場成員の個人および集団レベルの革新指向性の高さと直接的には関係がなかった。むしろ、上司―部下の仕事コミュニケーションの質や内容、すなわち「部下とどのようなことを、どのように話しているか」が革新指向性の強さを決めているようである。
(4) 職場のっ規模が革新指向性に及ぼす影響は、職場内のコミュニケーションのあり方によってキャンセルさせれてしまうようである。

PP.111-117・・・組織の成長と老化の過程のモデル。
(特に、、、)
老年期の集団―判断や決定の自動化
・・・問題は、会話やコミュニケーションの内容、中身である。その集団が抱えている課題を、いかに工夫を凝らしながらより効果的に遂行するかとか、新しく行うべき課題や企画を積極的に議論し、検討するとか、あるいは業務改善の方法を皆で案出するなどというような前向きで、課題指向的な内容を持つコミュニケーションはほとんどまったく姿を消している。そしてその代りに、仕事とは関係のない、趣味や遊び、それにレジャーの話などが主体となっている。「昨日、何して遊んだ」「今度、何して楽しむ」などの会話だけがあふれている。もちろんこの種の会話だって、人びとの情緒的な安定をはかり相互の親密さを増すうえで不可欠のものではあるが、ほとんどこれだけに偏ってしまっていることが多い。そして、楽しくはあるが、変化に背を向けた発展や進歩のない、活力を喪失した職場になってしまいやすい


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