2011年10月17日月曜日

保守事故—ヒューマンエラーの未然防止のマネジメント

[タイトル]
保守事故—ヒューマンエラーの未然防止のマネジメント

[著者]
ジェームズ・リーズン、アラン・ホッブス (監訳:高野研一)

[出版社]
日科技連出版社

[出版年]
2005年7月

[ノートor原著情報]
Managing Maintenance Error : A Practical Guide
James Reason, Alan Hobbs,
Ashgate Publishing Limited.,
2003.

[要約&感想]
組織事故と対比して捉えたくなるタイトルだが、対比というより発展的内容。いや、その後の研究の棚卸といったほうが正確か。
「自動化が進んでも、自動システムのメンテナンスは人がする」ということからMaintenance Errorなのだろう。

エラーは状況に依存している、というだけでなくて、違反すらも状況に依存した違反というものが存在しているという指摘。ETTO原理に通じる話でもある。Efficiencyが求められる状況において、「それにこたえなければ」と思ってしまうと、ちょっとした確認行為でも「この部分は大抵大丈夫だ、今の状況では問題ないはずだ、たぶん、これは大丈夫だ」とおもって省略する。大抵の場合、本当に大丈夫なのであるが、それが偶々悪かった場合に、「違反」として浮かび上がってしまう。ただ、それは罰せられるべき違反なのだろうか?人ならば仕方がないはず。

Practical Guideとあるように、概念論に終始した組織事故よりも実践的な話が多くのっている。
特にオミッションエラーについてはかなり実践的な方法を引き出してくれるような話も乗っている。

リーズンもエラーマネジメントが大切だといっている点は興味深い。
要するに、事前の構えを築くことが大切だということ。ここで思ったのは、「結局個人の話か?」という質問。それに対しては、私自身としては、こう答えるか。
「心の中でのリハーサルは個人過程だが、それを呼び起こすのは職場の空気であったり、場の設計で、それはマネジャーの仕事」。
・・・なんとなく、人をマネジメントするのって、磁石の車を同じ極の磁石を使って動かすのに似ているよね。回りをコントロールして初めてうまく動いてくれる。無理やり引っ張ろうとしても、引っ張るための力がそれだけ必要になる。

また、スウェーデンの企業での取り組みの紹介は、非常に興味深い。

最後の方でレジリエンスという言葉にも触れていて、それへのチェックリストなども上がっている。これはまた詳しく見とこう。

なんとなく、
「ヒューマン・エラー」⇒「組織事故」⇒「保守事故」⇒「レジリエンスと組織事故」の流れで捉えると、リーズンの考え方の発展が分かる。

特に「保守事故」での安全文化の記述では、組織事故の時と違って3つの文化で構成されると書いてある。(組織事故のときは4つだった)
・正義の文化
・報告の文化
・学習の文化
組織事故では「柔軟の文化」が含められていた。⇒これに関しては、芳賀先生がこの間の電子情報通信学会の安全性研究会で触れていたのは興味深い。
「保守事故」では、学習の文化をアージリスの知見を元にしながら、組織事故のときよりも分厚く展開している。ダブルループ学習について。
また、正義の文化では、「裁くべきものは裁かないといけない」というのも言っている。

0 件のコメント:

コメントを投稿