[タイトル]
複雑系入門―知のフロンティアへの冒険
[著者]
井庭 崇、福原 義久
[出版社]
NTT出版
[出版年]
1998年3月
[ノートor原著情報]
[要約]
Part I 『複雑系』科学
Chapter 1 『複雑系』とは何か?
1.1 疑問形から始まる
1.2 世界の階層構造
1.3 固有名詞としての『複雑系』
1.4 創発
1.5 『複雑系』理解への道
Chapter 2 『複雑系』科学の位置
2.1 個別科学とその階層性
2.2 『複雑系』科学の位置
2.3 『複雑系』科学は科学革命を起こしたか?
Chapter 3 『複雑系』科学の方法論
3.1 構成的手法によるアプローチ
3.2 シミュレーション
3.3 アナロジー
3.4 『複雑系』を研究しなければ『複雑系』科学ではない
3.5 「理解の仕方」を理解する
Part II 複雑性の現象
Chapter 4 フラクタル
4.1 フラクタルの発見―海岸の長さはどうやって測るのか?
4.2 自己相似性―フラクタル図形
4.3 フラクタル次元
4.4 自然の中のフラクタル
4.5 自己相似性を用いて自然の風景を再現する
4.6 『複雑系』科学とフラクタル
Chapter 5 自己組織的臨界状態
5.1 砂山の雪崩に隠された規則
5.2 自然、社会の中にみられるべき乗法則
5.3 『複雑系』科学と自己組織的臨界状態
Chapter 6 カオス
6.1 決定論と非決定論
6.2 カオスとバタフライ効果
6.3 カオスの生成
6.4 動的な振る舞いの把握
6.5 カオスのアトラクタ
6.6 カオス生成の原理と特徴
6.7 『複雑系』科学における「カオス」の位置
Chapter 7 カオスの縁
7.1 セル・オートマトン
7.2 1次元セル・オートマトンとクラス分類
7.3 λパラメータとカオスの縁
7.4 λパラメータと複雑さ
7.5 カオスの縁
Part III 複雑適応系
Chapter 8 複雑適応系
8.1 複雑適応系
8.2 スキーマと適応度地形
8.3 集合的複雑適応系
8.4 適応的エージェント
8.5 複雑適応系と『複雑系』
Chapter 9 進化と遺伝的アルゴリズム
9.1 遺伝子という情報
9.2 ダーウィンの進化論と利己的遺伝子
9.3 遺伝的アルゴリズム
9.4 遺伝的アルゴリズムの実行の簡単な例
9.5 遺伝的アルゴリズムは何をしているのか
Chapter 10 カウフマンネットワーク
10.1 自然淘汰と自己組織化
10.2 自発的な生命の起源
10.3 遺伝子ネットワークの自発的秩序
10.4 遺伝子の非線形性と適応度地形
10.5 カオスの縁への自己組織化
Chapter 11 ニューラルネットワーク
11.1 脳とその構造
11.2 ニューラルネットワークのモデル
11.3 パーセプトロンによる学習
11.4 多層パーセプトロン
11.5 ニューラルネットワークは何をしているのか
11.6 他モデルと今後
Part IV 『複雑系』科学のフロンティア
Chapter 12 『複雑系』経済学
12.1 The Future of Economics
12.2 新古典派経済学
12.3 『複雑系』経済学
12.4 構成要素:主体の内部を見つめ直す
12.5 要素のつながり:ダイナミックなネットワークとしての経済
12.6 時間発展と進化:歴史性の重視
12.7 経済学における構成的研究事例
12.8 『複雑系』経済学はどこへいくのか
Chapter 13 人工生命
13.1 「可能な生命」という観点
13.2 コンピュータ上の生命
13.3 ボイド:群れのシミュレーション
13.4 すり抜けてしまった生命性
13.5 『複雑系』科学における人工生命研究
13.6 人工生命研究はどこに向かうのか
Chapter 14 カオス結合系
14.1 カオスをつなぐとは?
14.2 カオス結合モデル
14.3 カオス的遍歴
14.4 カオス結合系と脳
Chapter 15 内部観測
15.1 観測について考え直す
15.2 局所的な要素と内部観測
15.3 観測志向型理論
15.4 内部観測による時間発展モデル
15.5 創発とは矛盾を疑似的に解決すること
15.6 選択領域外部からの選択
15.7 観測志向理論への道
Part V 『複雑系』研究への道標
16.1 現在の「複雑系」科学再考
16.2 理解の新しい方法
16.3 科学の枠が広がるか、それとも・・・
[感想]
「創発」という言葉に興味をもって読んでみた。
本当に入門編・概論といった感じ。
だけど、入門者の自分としてはいろいろと勉強になった。
・「内部観測」という視点はアクション・リサーチの話にもつながる。
・局所的に決めたルールを積み上げることで、全体としての秩序があるかのように見えてくる。それが創発。
・創発は還元主義ではとらえきれない話。還元主義の下に個別の要素を研究するんだけど、それをいくら積み上げても全体秩序は説明できない。
・まさに個人と集団の関係は複雑系といえる。
・個人的には、シミュレーションであったり、遺伝的アルゴリズムであったり、ニューラルネットワークであったりといった手法を使った研究をしてみたいなぁ・・・。趣味みたいな話だけど。
もうすこし複雑系について調べないといけないかなぁ・・・
2012年5月22日火曜日
2012年5月20日日曜日
構造こわし 組織変革の心理学
[タイトル]
構造こわし 組織変革の心理学
[著者]
古川 久敬
[出版社]
誠信書房
[出版年]
1990
[ノートor原著情報]
[要約]
―目次―
1章
変化と心理的抵抗
1節 変化認知のメカニズム
2節 変化に対する心理的抵抗
3節 変化とリスクテイキング
4節 変化への心理的抵抗を生み出すもの
5節 本書のねらいと構成について
2章
変化の時代と組織の創造的変革
1節 変わる環境と組織の変革
2節 企業組織のライフサイクルを左右する要因
3節 いま管理者に求められている新しい役割
3章
マルチループの組織学習による組織の変革
1節 組織学習について
2節 三つのタイプの組織学習
3節 変革型マネジメント
4章
職場集団の硬直と衰弱
1節 「集団年齢」―職場集団にも年齢がある
2節 情報と集団活力
3節 異なる「集団年齢」を持つ集団の特徴
4節 集団年齢に応じたリーダー行動
5章
集団の変動ダイナミズム
1節 職場集団のもつハードおよびソフトな構造
2節 ソフト構造とプレッシャー
3節 創造的な集団変動―ソフト構造の変容
4節 集団変動を促進する要因
5節 集団内のコンフリクト
6章
職場を変革する構造こわし行動
1節 組織変革の進行プロセス
2節 職場変革のための構造こわし理論
7章
構造こわしの実践手順
1節 構造こわしの準備段階
2節 構造こわしの導入段階
3節 構造こわしの実践段階
4節 継続的な構造こわし行動
5節 変革にともなう心理的抵抗の予知と克服
8章
意識変化のメカニズム
1節 態度変化のメカニズム
2節 態度変容を促進するためのふたつの方策
3節 内発的意欲の発生メカニズム
[感想]
まあ、もう古典だよね・・・
本全体で面白いなぁと思ったのは、とにかく「上司」というもののパワーを最大限発揮することによって組織の変革が行われていくということ。
たしかにそうだよね。
トップダウンが一番手っ取り早いかも。ボトムアップとは言いながら、それをオーソライズして展開していくのはトップの役目!
ふと思った。
説得や研修などで、色々と知識を与えたねを植えて、芽吹きまで行ったとしても、普段の職務環境は何も変わらず、職務内容も何も変わらず、なのであれば、その中で行動はなかなか変わらない。もちろん、主体が行動をほんの少し変えてみることで環境も変わっていったりすることもあるが、「普段に戻った時」には「職務環境」「職務内容」「周囲の目」は、戻ってきたメンバに対して「それまでと同じように行動」するように促す(そのことを期待する・予期して回りが動く・状況は変わらないダイナミズムで動く)。
芽吹きがあっても、日々の行動が前と同じなのであれば、やがてその芽吹きは枯れていく。元の木阿弥にもどる。。。
そうならないように、研修や説得を行うっともに、具体的な外界への働きかけ(すでにあるダイナミズムに抵抗して強い意志で本人が行動を変えることも含めて)していかなければならない。
もちろん説得の過程で、本人のダイナミズムの捉え方を変える・認知を変えるということもあり得る。結局、「状況のダイナミズム」は行動主体の心の中にあるもの。認知的なモノ。なので、主体が認知を変えれば「状況のダイナミズム」も「変化」する。
以下、いくつかのフレーズを引用・・・
P.95
集団は時間の経過とともに、それが現在抱えている課題にもっともふさわしい独自の集団構造をもつようになる。当然、それによって効率が高まり、したがって生産性もぐんと向上する。ところが、環境に変動が起こり、遂行すべき課題が質の点でガラリと変わると、かつて効果を上げた集団構造や遂行方法が、皮肉にも大きな「足かせ」となり、むしろ妨害的に働いてしまう可能性をもつ
P.103
(1) 職場の集団年齢が高まると革新指向性は低下する傾向を見せるものの、必ずしも革新指向性の最大の決定因とはなっていないようである。・・・すなわちたとえ職場集団の集団年齢が高まったとしても、意図的な働きかけを行うことによって(職場内の仕事コミュニケーションのあり方を見直すなど)、職場は活性化され得る。
(2) 個人レベルの革新指向性と集団レベルの革新指向性では・・・その源泉が異なっていることがうかがえる。個人レベルのそれは、職務の特性や、仕事の上で関係をもつ他職場との接触が関与しているようであるし、集団レベルのそれは、上下間のコミュニケーションの如何が強く関与しているようである。
(3) 上司個人の革新指向性の強さは、職場成員の個人および集団レベルの革新指向性の高さと直接的には関係がなかった。むしろ、上司―部下の仕事コミュニケーションの質や内容、すなわち「部下とどのようなことを、どのように話しているか」が革新指向性の強さを決めているようである。
(4) 職場のっ規模が革新指向性に及ぼす影響は、職場内のコミュニケーションのあり方によってキャンセルさせれてしまうようである。
PP.111-117・・・組織の成長と老化の過程のモデル。
(特に、、、)
老年期の集団―判断や決定の自動化
・・・問題は、会話やコミュニケーションの内容、中身である。その集団が抱えている課題を、いかに工夫を凝らしながらより効果的に遂行するかとか、新しく行うべき課題や企画を積極的に議論し、検討するとか、あるいは業務改善の方法を皆で案出するなどというような前向きで、課題指向的な内容を持つコミュニケーションはほとんどまったく姿を消している。そしてその代りに、仕事とは関係のない、趣味や遊び、それにレジャーの話などが主体となっている。「昨日、何して遊んだ」「今度、何して楽しむ」などの会話だけがあふれている。もちろんこの種の会話だって、人びとの情緒的な安定をはかり相互の親密さを増すうえで不可欠のものではあるが、ほとんどこれだけに偏ってしまっていることが多い。そして、楽しくはあるが、変化に背を向けた発展や進歩のない、活力を喪失した職場になってしまいやすい
構造こわし 組織変革の心理学
[著者]
古川 久敬
[出版社]
誠信書房
[出版年]
1990
[ノートor原著情報]
[要約]
―目次―
1章
変化と心理的抵抗
1節 変化認知のメカニズム
2節 変化に対する心理的抵抗
3節 変化とリスクテイキング
4節 変化への心理的抵抗を生み出すもの
5節 本書のねらいと構成について
2章
変化の時代と組織の創造的変革
1節 変わる環境と組織の変革
2節 企業組織のライフサイクルを左右する要因
3節 いま管理者に求められている新しい役割
3章
マルチループの組織学習による組織の変革
1節 組織学習について
2節 三つのタイプの組織学習
3節 変革型マネジメント
4章
職場集団の硬直と衰弱
1節 「集団年齢」―職場集団にも年齢がある
2節 情報と集団活力
3節 異なる「集団年齢」を持つ集団の特徴
4節 集団年齢に応じたリーダー行動
5章
集団の変動ダイナミズム
1節 職場集団のもつハードおよびソフトな構造
2節 ソフト構造とプレッシャー
3節 創造的な集団変動―ソフト構造の変容
4節 集団変動を促進する要因
5節 集団内のコンフリクト
6章
職場を変革する構造こわし行動
1節 組織変革の進行プロセス
2節 職場変革のための構造こわし理論
7章
構造こわしの実践手順
1節 構造こわしの準備段階
2節 構造こわしの導入段階
3節 構造こわしの実践段階
4節 継続的な構造こわし行動
5節 変革にともなう心理的抵抗の予知と克服
8章
意識変化のメカニズム
1節 態度変化のメカニズム
2節 態度変容を促進するためのふたつの方策
3節 内発的意欲の発生メカニズム
[感想]
まあ、もう古典だよね・・・
本全体で面白いなぁと思ったのは、とにかく「上司」というもののパワーを最大限発揮することによって組織の変革が行われていくということ。
たしかにそうだよね。
トップダウンが一番手っ取り早いかも。ボトムアップとは言いながら、それをオーソライズして展開していくのはトップの役目!
ふと思った。
説得や研修などで、色々と知識を与えたねを植えて、芽吹きまで行ったとしても、普段の職務環境は何も変わらず、職務内容も何も変わらず、なのであれば、その中で行動はなかなか変わらない。もちろん、主体が行動をほんの少し変えてみることで環境も変わっていったりすることもあるが、「普段に戻った時」には「職務環境」「職務内容」「周囲の目」は、戻ってきたメンバに対して「それまでと同じように行動」するように促す(そのことを期待する・予期して回りが動く・状況は変わらないダイナミズムで動く)。
芽吹きがあっても、日々の行動が前と同じなのであれば、やがてその芽吹きは枯れていく。元の木阿弥にもどる。。。
そうならないように、研修や説得を行うっともに、具体的な外界への働きかけ(すでにあるダイナミズムに抵抗して強い意志で本人が行動を変えることも含めて)していかなければならない。
もちろん説得の過程で、本人のダイナミズムの捉え方を変える・認知を変えるということもあり得る。結局、「状況のダイナミズム」は行動主体の心の中にあるもの。認知的なモノ。なので、主体が認知を変えれば「状況のダイナミズム」も「変化」する。
以下、いくつかのフレーズを引用・・・
P.95
集団は時間の経過とともに、それが現在抱えている課題にもっともふさわしい独自の集団構造をもつようになる。当然、それによって効率が高まり、したがって生産性もぐんと向上する。ところが、環境に変動が起こり、遂行すべき課題が質の点でガラリと変わると、かつて効果を上げた集団構造や遂行方法が、皮肉にも大きな「足かせ」となり、むしろ妨害的に働いてしまう可能性をもつ
P.103
(1) 職場の集団年齢が高まると革新指向性は低下する傾向を見せるものの、必ずしも革新指向性の最大の決定因とはなっていないようである。・・・すなわちたとえ職場集団の集団年齢が高まったとしても、意図的な働きかけを行うことによって(職場内の仕事コミュニケーションのあり方を見直すなど)、職場は活性化され得る。
(2) 個人レベルの革新指向性と集団レベルの革新指向性では・・・その源泉が異なっていることがうかがえる。個人レベルのそれは、職務の特性や、仕事の上で関係をもつ他職場との接触が関与しているようであるし、集団レベルのそれは、上下間のコミュニケーションの如何が強く関与しているようである。
(3) 上司個人の革新指向性の強さは、職場成員の個人および集団レベルの革新指向性の高さと直接的には関係がなかった。むしろ、上司―部下の仕事コミュニケーションの質や内容、すなわち「部下とどのようなことを、どのように話しているか」が革新指向性の強さを決めているようである。
(4) 職場のっ規模が革新指向性に及ぼす影響は、職場内のコミュニケーションのあり方によってキャンセルさせれてしまうようである。
PP.111-117・・・組織の成長と老化の過程のモデル。
(特に、、、)
老年期の集団―判断や決定の自動化
・・・問題は、会話やコミュニケーションの内容、中身である。その集団が抱えている課題を、いかに工夫を凝らしながらより効果的に遂行するかとか、新しく行うべき課題や企画を積極的に議論し、検討するとか、あるいは業務改善の方法を皆で案出するなどというような前向きで、課題指向的な内容を持つコミュニケーションはほとんどまったく姿を消している。そしてその代りに、仕事とは関係のない、趣味や遊び、それにレジャーの話などが主体となっている。「昨日、何して遊んだ」「今度、何して楽しむ」などの会話だけがあふれている。もちろんこの種の会話だって、人びとの情緒的な安定をはかり相互の親密さを増すうえで不可欠のものではあるが、ほとんどこれだけに偏ってしまっていることが多い。そして、楽しくはあるが、変化に背を向けた発展や進歩のない、活力を喪失した職場になってしまいやすい
2012年3月25日日曜日
フィールドワーク 書を持って街へ出かけよう
[タイトル]
フィールドワーク 書を持って街へ出かけよう
[著者]
佐藤 郁哉
[出版社]
新曜社
[出版年]
1992年
[ノートor原著情報]
[要約]
[感想]
ブックオフで105円で買った掘り出し物(笑)
参与観察を中心としたフィールドワークに求められる心構えを中心に
解説してくれている。
本当に参考になる。
自分自身、参与観察をしていて、自分自身のアイデンティティが揺らいだり
相手との関係性をどのように築くか、維持するか、
相手との信頼関係をどうするか、
近づきすぎず、遠ざからずという関係をいかに維持するか
そういう点に対して、もうとんでもないストレスを感じた。
なんとなく、ものすごい針に糸を通すような繊細な関係の間を縫っていかないといけないことに、
ものすごく難しいなぁと思ったんだけど、
この本で、誰もが感じるむずかしさなんだということがわかった。
ちょっと安心した(笑)
あと、研究の方法論として、
参与観察は方法としてもっておくんだけど、
やっぱり、なんとなく思うのは
目の前にある疑問点を明らかにするために適した方法をとるべきで
質的研究で、とか量的研究でとかって、それらにこだわるのはどうだろう
とか思ったりする。
それぞれの方法には一長一短というか、
何ができて、何ができないか、があるんだから、
それらを理解して、適切に目的に応じて方法論を変えるべきだろう。
そのためにも、研究の方法のレパートリーは増やしておくべきなんだろうね~。
フィールドワーク 書を持って街へ出かけよう
[著者]
佐藤 郁哉
[出版社]
新曜社
[出版年]
1992年
[ノートor原著情報]
[要約]
[感想]
ブックオフで105円で買った掘り出し物(笑)
参与観察を中心としたフィールドワークに求められる心構えを中心に
解説してくれている。
本当に参考になる。
自分自身、参与観察をしていて、自分自身のアイデンティティが揺らいだり
相手との関係性をどのように築くか、維持するか、
相手との信頼関係をどうするか、
近づきすぎず、遠ざからずという関係をいかに維持するか
そういう点に対して、もうとんでもないストレスを感じた。
なんとなく、ものすごい針に糸を通すような繊細な関係の間を縫っていかないといけないことに、
ものすごく難しいなぁと思ったんだけど、
この本で、誰もが感じるむずかしさなんだということがわかった。
ちょっと安心した(笑)
あと、研究の方法論として、
参与観察は方法としてもっておくんだけど、
やっぱり、なんとなく思うのは
目の前にある疑問点を明らかにするために適した方法をとるべきで
質的研究で、とか量的研究でとかって、それらにこだわるのはどうだろう
とか思ったりする。
それぞれの方法には一長一短というか、
何ができて、何ができないか、があるんだから、
それらを理解して、適切に目的に応じて方法論を変えるべきだろう。
そのためにも、研究の方法のレパートリーは増やしておくべきなんだろうね~。
2012年1月1日日曜日
現代の認知心理学4 注意と安全
[タイトル]
現代の認知心理学4 注意と安全
[著者]
原田 悦子、篠原 一光 編著
[出版社]
北大路書房
[出版年]
2011
[ノートor原著情報]
[要約]
大きく三部構成。
1 章から4 章までが「基礎と理論」、5 章と6 章が「発達・加齢と注意」、7 章以降が「安全管理とヒューマンファクター」。
第1 パート(1 章から4 章まで)では、まず注意に関する研究の歴史(注意研究がスタートしたきっかけや今日までの流れ)が展望されるとともに、現時点で一般に合意されている注意に関する認知モデルが紹介される。
ついで、注意に関する脳神経科学での臨床的知見と認知心理実験に基づく知見との関係や、記憶(特にワーキングメモリ)と注意についてのそれぞれの概念の関係、外的に観察可能な行動や計測可能な眼球運動と注意の関係が紹介される。
第2 パート(5 章と6 章)では、まず主に乳児期から幼児期までを対象とした注意の発達過程についての研究が紹介される。ついで加齢にともなう認知機能の変化を説明するモデルが紹介される。
第3 パート(7 章以降)では、まず、「メンタルワークロード」という概念についての詳細な説明がなされる。続いてヒューマンエラーというものについての一般的・全体的な概説がなされた後、注意とヒューマンエラーの関係について紹介される。次いで、実務組織における安全とヒューマンエラーの関係やリスクテイキングの理論が紹介される。その後、具体的な実務場面として医療場面におけるヒューマンエラーや事故、さらにはそれらを防止するために現在取られている対策が紹介される。最後に、状況認識(SituationAwareness)という概念について紹介・解説がなされる。
[感想]
→ HI学会に投稿した書評を参照・・・
現代の認知心理学4 注意と安全
[著者]
原田 悦子、篠原 一光 編著
[出版社]
北大路書房
[出版年]
2011
[ノートor原著情報]
[要約]
大きく三部構成。
1 章から4 章までが「基礎と理論」、5 章と6 章が「発達・加齢と注意」、7 章以降が「安全管理とヒューマンファクター」。
第1 パート(1 章から4 章まで)では、まず注意に関する研究の歴史(注意研究がスタートしたきっかけや今日までの流れ)が展望されるとともに、現時点で一般に合意されている注意に関する認知モデルが紹介される。
ついで、注意に関する脳神経科学での臨床的知見と認知心理実験に基づく知見との関係や、記憶(特にワーキングメモリ)と注意についてのそれぞれの概念の関係、外的に観察可能な行動や計測可能な眼球運動と注意の関係が紹介される。
第2 パート(5 章と6 章)では、まず主に乳児期から幼児期までを対象とした注意の発達過程についての研究が紹介される。ついで加齢にともなう認知機能の変化を説明するモデルが紹介される。
第3 パート(7 章以降)では、まず、「メンタルワークロード」という概念についての詳細な説明がなされる。続いてヒューマンエラーというものについての一般的・全体的な概説がなされた後、注意とヒューマンエラーの関係について紹介される。次いで、実務組織における安全とヒューマンエラーの関係やリスクテイキングの理論が紹介される。その後、具体的な実務場面として医療場面におけるヒューマンエラーや事故、さらにはそれらを防止するために現在取られている対策が紹介される。最後に、状況認識(SituationAwareness)という概念について紹介・解説がなされる。
[感想]
→ HI学会に投稿した書評を参照・・・
2011年10月17日月曜日
安全。でも、安心できない・・・。—信頼をめぐる心理学
[タイトル]
安全。でも、安心できない・・・。—信頼をめぐる心理学
[著者]
中谷内一也
[出版社]
ちくま新書
[出版年]
2008年10月
[ノートor原著情報]
Noting
[要約&感想]
「安心」というものがいかに築かれるのか。社会の安心をいかにGetするか、という点に興味があって読んでみた。
前の山岸先生の「安心社会から信頼社会へ」に引き続いて読んだ本。
安心というものは、結局今日の分業社会では分業者がきちんと仕事をしてくれる、と思えるか。すなわち「信頼できるか」と同義である。
信頼を規程するもの
・能力・知識
・・・仕事をうまく遂行するための能力・知識をもっていること
・動機づけ・姿勢
・・・仕事をうまく遂行することに対しての動機づけ・誠実性がたかいこと
・価値類似性
・・・「仕事をうまく遂行する」ということについての価値観が同じであること。同じ目標をみれていること。
特に本書で主張している点は、これらの3点は実際に「信頼される側」の特性として「これらが必要」というのではなく、「信頼する側」が「信頼される側」に対してこれらを感じれるかという点。すなわち、「信頼される側」のインタフェースが大切だといっている。
そこから、リスクコミュニケーションであったり、情報公開であったりが大切となる。
社会が如何にリスク管理組織を信頼するか、非常に難しい問題だ・・・。
安全。でも、安心できない・・・。—信頼をめぐる心理学
[著者]
中谷内一也
[出版社]
ちくま新書
[出版年]
2008年10月
[ノートor原著情報]
Noting
[要約&感想]
「安心」というものがいかに築かれるのか。社会の安心をいかにGetするか、という点に興味があって読んでみた。
前の山岸先生の「安心社会から信頼社会へ」に引き続いて読んだ本。
安心というものは、結局今日の分業社会では分業者がきちんと仕事をしてくれる、と思えるか。すなわち「信頼できるか」と同義である。
信頼を規程するもの
・能力・知識
・・・仕事をうまく遂行するための能力・知識をもっていること
・動機づけ・姿勢
・・・仕事をうまく遂行することに対しての動機づけ・誠実性がたかいこと
・価値類似性
・・・「仕事をうまく遂行する」ということについての価値観が同じであること。同じ目標をみれていること。
特に本書で主張している点は、これらの3点は実際に「信頼される側」の特性として「これらが必要」というのではなく、「信頼する側」が「信頼される側」に対してこれらを感じれるかという点。すなわち、「信頼される側」のインタフェースが大切だといっている。
そこから、リスクコミュニケーションであったり、情報公開であったりが大切となる。
社会が如何にリスク管理組織を信頼するか、非常に難しい問題だ・・・。
保守事故—ヒューマンエラーの未然防止のマネジメント
[タイトル]
保守事故—ヒューマンエラーの未然防止のマネジメント
[著者]
ジェームズ・リーズン、アラン・ホッブス (監訳:高野研一)
[出版社]
日科技連出版社
[出版年]
2005年7月
[ノートor原著情報]
Managing Maintenance Error : A Practical Guide
James Reason, Alan Hobbs,
Ashgate Publishing Limited.,
2003.
[要約&感想]
組織事故と対比して捉えたくなるタイトルだが、対比というより発展的内容。いや、その後の研究の棚卸といったほうが正確か。
「自動化が進んでも、自動システムのメンテナンスは人がする」ということからMaintenance Errorなのだろう。
エラーは状況に依存している、というだけでなくて、違反すらも状況に依存した違反というものが存在しているという指摘。ETTO原理に通じる話でもある。Efficiencyが求められる状況において、「それにこたえなければ」と思ってしまうと、ちょっとした確認行為でも「この部分は大抵大丈夫だ、今の状況では問題ないはずだ、たぶん、これは大丈夫だ」とおもって省略する。大抵の場合、本当に大丈夫なのであるが、それが偶々悪かった場合に、「違反」として浮かび上がってしまう。ただ、それは罰せられるべき違反なのだろうか?人ならば仕方がないはず。
Practical Guideとあるように、概念論に終始した組織事故よりも実践的な話が多くのっている。
特にオミッションエラーについてはかなり実践的な方法を引き出してくれるような話も乗っている。
リーズンもエラーマネジメントが大切だといっている点は興味深い。
要するに、事前の構えを築くことが大切だということ。ここで思ったのは、「結局個人の話か?」という質問。それに対しては、私自身としては、こう答えるか。
「心の中でのリハーサルは個人過程だが、それを呼び起こすのは職場の空気であったり、場の設計で、それはマネジャーの仕事」。
・・・なんとなく、人をマネジメントするのって、磁石の車を同じ極の磁石を使って動かすのに似ているよね。回りをコントロールして初めてうまく動いてくれる。無理やり引っ張ろうとしても、引っ張るための力がそれだけ必要になる。
また、スウェーデンの企業での取り組みの紹介は、非常に興味深い。
最後の方でレジリエンスという言葉にも触れていて、それへのチェックリストなども上がっている。これはまた詳しく見とこう。
なんとなく、
「ヒューマン・エラー」⇒「組織事故」⇒「保守事故」⇒「レジリエンスと組織事故」の流れで捉えると、リーズンの考え方の発展が分かる。
特に「保守事故」での安全文化の記述では、組織事故の時と違って3つの文化で構成されると書いてある。(組織事故のときは4つだった)
・正義の文化
・報告の文化
・学習の文化
組織事故では「柔軟の文化」が含められていた。⇒これに関しては、芳賀先生がこの間の電子情報通信学会の安全性研究会で触れていたのは興味深い。
「保守事故」では、学習の文化をアージリスの知見を元にしながら、組織事故のときよりも分厚く展開している。ダブルループ学習について。
また、正義の文化では、「裁くべきものは裁かないといけない」というのも言っている。
保守事故—ヒューマンエラーの未然防止のマネジメント
[著者]
ジェームズ・リーズン、アラン・ホッブス (監訳:高野研一)
[出版社]
日科技連出版社
[出版年]
2005年7月
[ノートor原著情報]
Managing Maintenance Error : A Practical Guide
James Reason, Alan Hobbs,
Ashgate Publishing Limited.,
2003.
[要約&感想]
組織事故と対比して捉えたくなるタイトルだが、対比というより発展的内容。いや、その後の研究の棚卸といったほうが正確か。
「自動化が進んでも、自動システムのメンテナンスは人がする」ということからMaintenance Errorなのだろう。
エラーは状況に依存している、というだけでなくて、違反すらも状況に依存した違反というものが存在しているという指摘。ETTO原理に通じる話でもある。Efficiencyが求められる状況において、「それにこたえなければ」と思ってしまうと、ちょっとした確認行為でも「この部分は大抵大丈夫だ、今の状況では問題ないはずだ、たぶん、これは大丈夫だ」とおもって省略する。大抵の場合、本当に大丈夫なのであるが、それが偶々悪かった場合に、「違反」として浮かび上がってしまう。ただ、それは罰せられるべき違反なのだろうか?人ならば仕方がないはず。
Practical Guideとあるように、概念論に終始した組織事故よりも実践的な話が多くのっている。
特にオミッションエラーについてはかなり実践的な方法を引き出してくれるような話も乗っている。
リーズンもエラーマネジメントが大切だといっている点は興味深い。
要するに、事前の構えを築くことが大切だということ。ここで思ったのは、「結局個人の話か?」という質問。それに対しては、私自身としては、こう答えるか。
「心の中でのリハーサルは個人過程だが、それを呼び起こすのは職場の空気であったり、場の設計で、それはマネジャーの仕事」。
・・・なんとなく、人をマネジメントするのって、磁石の車を同じ極の磁石を使って動かすのに似ているよね。回りをコントロールして初めてうまく動いてくれる。無理やり引っ張ろうとしても、引っ張るための力がそれだけ必要になる。
また、スウェーデンの企業での取り組みの紹介は、非常に興味深い。
最後の方でレジリエンスという言葉にも触れていて、それへのチェックリストなども上がっている。これはまた詳しく見とこう。
なんとなく、
「ヒューマン・エラー」⇒「組織事故」⇒「保守事故」⇒「レジリエンスと組織事故」の流れで捉えると、リーズンの考え方の発展が分かる。
特に「保守事故」での安全文化の記述では、組織事故の時と違って3つの文化で構成されると書いてある。(組織事故のときは4つだった)
・正義の文化
・報告の文化
・学習の文化
組織事故では「柔軟の文化」が含められていた。⇒これに関しては、芳賀先生がこの間の電子情報通信学会の安全性研究会で触れていたのは興味深い。
「保守事故」では、学習の文化をアージリスの知見を元にしながら、組織事故のときよりも分厚く展開している。ダブルループ学習について。
また、正義の文化では、「裁くべきものは裁かないといけない」というのも言っている。
2011年8月23日火曜日
安心社会から信頼社会へ
[タイトル]
安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方
[著者]
山岸 俊男
[出版社]
中公新書
[出版年]
1999
[ノートor原著情報]
[要約&感想]
「信頼」という言葉について調べたくて読んでみた本。
きっかけは、論文DBにもあるJR東日本のテクニカルレビューの基調論文から。
内容は、実際の研究成果を数字で示していて、非常にサイエンティフィックで興味深いもの。
そもそもの議論のスタートは「人をみたら泥棒と思え」で馬鹿をみるのか、得をするのか。
この本で主張しているのは、
・安心と信頼は根本的に異なるものである。
・安心とはそもそも相手の行動予測に不確実性が無い状態を認知した、それによって自分に危害が及ばないを認知したことによっておこる感情状態ことを指す
・信頼とは相手の行動予測において不確実性が存在する中で相手を「悪いことはしないだろう」と期待している時の感情状態のことを指す。
・過去の日本においては、閉鎖的なコミュニティを形成すること、集団主義社会を形成ことによって「安心」を得ていた。すなわち、閉鎖的なコミュニティを形成することによって、相互に相手の行動を監視しあったり、集団による血の掟のような規範で行動の不確実性を低減させることの方が適応的であった。そのための機会費用(維持コスト)と取引費用(導入コスト)の面からメリットがあった。
・しかしこれらかの社会においては、人やモノ、情報の入れ替わりが激しくなっており、閉鎖的なコミュニティを維持するための機会費用と取引費用のバランスが崩れ、閉鎖的なコミュニティを維持するためのコストが非常に大きなものとなるため、信頼による社会形成がより適応的となるのではないか。
面白い点は、色々な調査の結果から、「日本人はアメリカ人に比べて他人を信用しない傾向にある」や「他人を信用しない人ほど、人間関係に敏感になる」という結果。面白い。
安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方
[著者]
山岸 俊男
[出版社]
中公新書
[出版年]
1999
[ノートor原著情報]
[要約&感想]
「信頼」という言葉について調べたくて読んでみた本。
きっかけは、論文DBにもあるJR東日本のテクニカルレビューの基調論文から。
内容は、実際の研究成果を数字で示していて、非常にサイエンティフィックで興味深いもの。
そもそもの議論のスタートは「人をみたら泥棒と思え」で馬鹿をみるのか、得をするのか。
この本で主張しているのは、
・安心と信頼は根本的に異なるものである。
・安心とはそもそも相手の行動予測に不確実性が無い状態を認知した、それによって自分に危害が及ばないを認知したことによっておこる感情状態ことを指す
・信頼とは相手の行動予測において不確実性が存在する中で相手を「悪いことはしないだろう」と期待している時の感情状態のことを指す。
・過去の日本においては、閉鎖的なコミュニティを形成すること、集団主義社会を形成ことによって「安心」を得ていた。すなわち、閉鎖的なコミュニティを形成することによって、相互に相手の行動を監視しあったり、集団による血の掟のような規範で行動の不確実性を低減させることの方が適応的であった。そのための機会費用(維持コスト)と取引費用(導入コスト)の面からメリットがあった。
・しかしこれらかの社会においては、人やモノ、情報の入れ替わりが激しくなっており、閉鎖的なコミュニティを維持するための機会費用と取引費用のバランスが崩れ、閉鎖的なコミュニティを維持するためのコストが非常に大きなものとなるため、信頼による社会形成がより適応的となるのではないか。
面白い点は、色々な調査の結果から、「日本人はアメリカ人に比べて他人を信用しない傾向にある」や「他人を信用しない人ほど、人間関係に敏感になる」という結果。面白い。
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