[タイトル]
新幹線お掃除の天使たち 「世界一の現場力」はどう生まれたか
[著者]
遠藤 功
[出版社]
あさ出版
[出版年]
2012年8月
[ノートor原著情報]
Noting
[要約&感想]
話題になってるので買ってみた。
まるで赤川次郎の小説のようにすらすらと読める本。
遠藤先生の組織運営の考え方、すなわち、
「組織運営はどうあるべきか」
「硬直した組織を変革するにはどう進めるべきか」
というものを、新幹線の清掃現場の変革事例を用いて
ドキュメンタリーの形態を使いながら説明されている。
問題意識:一体感がない、元気がない、現場と経営陣の距離が遠く会社の思いが現場に伝わっていない。現場は「自分たちは所詮清掃員」。
変革者の思い:「今のままで問題はない」ではなく、「もっと色々なことができるはず」と考え「トータルサービス会社」に持って行きたいと思った。「そういうことができれば現場のスタッフももっと元気になるに違いない」と考えた。
←ここがすごく不思議。どうして「トータルサービス会社」というコンセプトが出てきたのだろうか。普通に考えれば、単なる清掃会社で、「清掃が仕事」というのが当時の常識で、JR東もそれ以上のことは特に期待はしていなかったはず。(実際に文章の中でも「当時の経営幹部はそういうことに興味を示さなかった」と書いている。そういうものだと思う。)「なぜ、それではだめだ!」と思えたのか。バックグラウンドにどういうものがあるのか。どういう思考を経てこういうコンセプトにいたったのか?最初はどこに問題があると思ったのか。それを改善するために、どのような思考の中での試行錯誤をしたのか。それを知りたい・・・。
それからとったアプローチ
<気持ちをつかむ>
●仲間を徐々に増やす
●うまく外部環境を活用して「注目されている」感(←自分たちは間違っていない、自分たちは社会から認められている、自分たちもまんざら捨てたものでもない、と思わせる)を醸成する
●コンセプトを与える。トータルサービス、
●職場の環境をまず改善する。
●組織を組み替える
●イベントで一体感を高める
●価値観を共有し、やる気を出してくれる人をどんどん登用していく。(イベントに参加する人しかり)
<自律を引き出す>
●新しいコンセプトを与える。「さわやか、あんしん、あったか」。
●新しいコンセプトの下に現場と経営陣が一体となって議論できる「場」を作る
特に、会社の方向性を伝える一方で、スタッフ一人ひとりと真正面から向き合い、現場の声を吸い上げる
また、議論で出てきた取り組みは積極的に取り組む
●褒めの活用
<自律を風土・文化にする>
この部分は今後の取り組み。
←えてして、ここからが難しい。変革は、変革が動いている最中は現場が生き生きするが、変革が止まると現場の活力も失われる。色々と「やれる」→何らかの満足しきれない部分「こんなこともやってみたい」というような部分があるから動きが出てくる。そういったことを大体やりつくした、イベントやキャンペーンも旬物として定着した、となってしまい、根本から新しい枠組みを作る、というのではなく、枠組みの中でのマイナーチェンジ程度になると、「変革のための動き」自体が「動く」ための「動き」でしかなくなる。何のためにやっているのかが失われてくる。
←人は「不満足」な点を「満足」させるために動く。根本はそこ。「満足」していると思ったら動かなくなる。如何に「不満足」を見つけさせるか。中々見つけづらくなってきた「不満足」「欲求」「ニーズ」を如何に見つけさせるか。
←最初は不満足がたくさんあるから色々とやれるが、成熟するとそれが失われてくる。そうなると、どうすればよいのか・・・。
以下、読んでる最中に思ったこと。
(1)
なんとなく、一人の問題意識の強いリーダーが粘り強く働き掛けてるとともに、外部環境をうまく使いながら、目に見えるような環境改善なんかも行って、組織改革を成し遂げた、という感じがする。
それでも、2年 かかったということなのだが、ある意味、そうしやすい比較的「小回りの利く組織システム、組織規模」だったということか。
そのような「小回りの利きやすさ」という点では、運転システムはやっぱり図体が大きく、他の組織との関わりも「システムレベル」で「密着」してしまっているので、ちょっとやそっとでは動かないのかもしれない。単独の区だけでは動かせないのかもしれない。
そういうような組織を改革するにはどういうことが必要なのか、どの程度の期間がかかるものなのか、そういうのを調べてみるのもいいかもしれない。
あと、なんとなく、job craftの考え方、job craftが可能な職務特性みたいなものを、組織レベルでも考えられるのかも知れない。他との関係性のつよさとか。
(2)
もともとの現場の空気は結構、運転士現場と同じだったようだ。
「プラス方向に引き上げる」と「マイナスを抑える」。「マイナスを抑えることに全力を注ぐべきだ」という考えの人を如何に「プラスもすべきだ」という方向にもっていくにはどうすればよか・・・。
2013年1月18日金曜日
2013年1月9日水曜日
人と機械の共生のデザイン
[タイトル]
人と機械の共生のデザイン -「人間中心の自動化」を探る-
[著者]
稲垣 敏之
[出版社]
森北出版株式会社
[出版年]
2012
[ノートor原著情報]
[要約&感想]
参考文献が全然引用箇所が明記されてない・・・
引用であろう箇所の原著がわからん・・・
全体に、航空機と自動車を対象に自動化のあり方について議論している。
稲垣先生が考える「人間中心設計」という言葉の定義が「最終決定権を人間に与えること」であるというのが透けて見える。(P.124)
自動化システムと人との関係を人と人との関係のアナロジーで考ている。
全体としては、
設計指針としてはP.63に示しているものがこの本の主張の核だが、稲垣先生は基本的には「人に決定権を与える自動化」と「機械に決定権を与えつつ、状況はキチンと人に情報伝達する自動化」を状況に合わせて行ったり来たりできる「アダプティブオートーメーション」を推奨しているようだ。
P.63からの引用(一部改変)
人間中心の自動化の基本理念
(1) 人は(航空)システムの安全に対して最終責任を追っている。
↓
(2) 人に指揮権を与えよう
↓
(3) 効果的に指揮を行えるよう、人に主体的に関与させよう
(4) 人が主体的に関与できるよう、人に情報を提供しよう
(5) 適切な理由がある場合のみ、機能を自動化することにしよう
(6) 人が自動化システムをモニターできるようにしておこう
(7) 自動化システムは予測可能なものであるようにしておこう
(8) 自動化システムは人をモニターできるようにしておこう
(9) 人と自動化システムは互いに相手の意図をしることができるようにしておこう
(10) 自動化システムは、簡単に学べて簡単に使えるようにデザインしよう
P.111
自動化レベル
(1) コンピュータの支援なしに、すべてを人間が決定・実行
(2) コンピュータはすべての選択肢を提示し、人間はそのうちの一つを選択して実行
(3) コンピュータは可能な選択肢をすべて人間に提示するとともに、その中の一つを選んで提案。それを実行するか否かは人間が決定。
(4) コンピュータは可能な選択肢の中から一つを選び、それを人間に提案。それを実行するか否かは人間が決定。
(5) コンピュータは一つの案を人間に提示。人間が了承すれば、コンピュータが実行。
(6) コンピュータは一つの案を人間に提示。人間が一定時間以内に実行中止を指令しない限り、コンピュータはその案を実行。
(6.5) コンピュータは一つの案を人間に提示すると同時に、その案を実行
← 「提示しなくてもいい!」とも思えるが、「提示」するということで、その後の人の行動が安全なものになる。人の状況認識を損なわなくてすむ。
(7) コンピュータがすべてを行い、何を実行したか人間に報告。
(8) コンピュータがすべてを決定・実行。人間に問われれば、何を実行したかを人間い報告。
(9)コンピュータがすべてを決定・実行。何を実行したかを人間に報告するのは、必要性をコンピュータが認めたときのみ。
(10) コンピュータがすべてを決定し、実行。
なんとなく、よくわからなかった「過信・不信の問題がなぜ『問題』なのか」の本質がわかった気がする。
基本的に、すべての状況変動に適切に対応できる「パーフェクト」な機器は設計できない、という前提の上で、「過信」があった場合には機器が対応できな状況に至った時に、なぜ対応しないのか、何が起こっているのかわからなくなる、というオートメーションサプライズが起きたり、状況への対処が遅れたりする。「不信」の場合は「狼少年」になって、機器が無効化されたり、逆に無視していた機械が勝手に何かをして逆のオートメーションサプライズが起きたりする。
過信・不信によって人の状況認知と機械の状況認知に齟齬が生じてきて、それが不安全をまねくということ。
ちょっと考えればわかるんかもしれんけど、この本を読むまでいまいちよく見えなかった。。。
人と機械の共生のデザイン -「人間中心の自動化」を探る-
[著者]
稲垣 敏之
[出版社]
森北出版株式会社
[出版年]
2012
[ノートor原著情報]
[要約&感想]
参考文献が全然引用箇所が明記されてない・・・
引用であろう箇所の原著がわからん・・・
全体に、航空機と自動車を対象に自動化のあり方について議論している。
稲垣先生が考える「人間中心設計」という言葉の定義が「最終決定権を人間に与えること」であるというのが透けて見える。(P.124)
自動化システムと人との関係を人と人との関係のアナロジーで考ている。
全体としては、
設計指針としてはP.63に示しているものがこの本の主張の核だが、稲垣先生は基本的には「人に決定権を与える自動化」と「機械に決定権を与えつつ、状況はキチンと人に情報伝達する自動化」を状況に合わせて行ったり来たりできる「アダプティブオートーメーション」を推奨しているようだ。
P.63からの引用(一部改変)
人間中心の自動化の基本理念
(1) 人は(航空)システムの安全に対して最終責任を追っている。
↓
(2) 人に指揮権を与えよう
↓
(3) 効果的に指揮を行えるよう、人に主体的に関与させよう
(4) 人が主体的に関与できるよう、人に情報を提供しよう
(5) 適切な理由がある場合のみ、機能を自動化することにしよう
(6) 人が自動化システムをモニターできるようにしておこう
(7) 自動化システムは予測可能なものであるようにしておこう
(8) 自動化システムは人をモニターできるようにしておこう
(9) 人と自動化システムは互いに相手の意図をしることができるようにしておこう
(10) 自動化システムは、簡単に学べて簡単に使えるようにデザインしよう
P.111
自動化レベル
(1) コンピュータの支援なしに、すべてを人間が決定・実行
(2) コンピュータはすべての選択肢を提示し、人間はそのうちの一つを選択して実行
(3) コンピュータは可能な選択肢をすべて人間に提示するとともに、その中の一つを選んで提案。それを実行するか否かは人間が決定。
(4) コンピュータは可能な選択肢の中から一つを選び、それを人間に提案。それを実行するか否かは人間が決定。
(5) コンピュータは一つの案を人間に提示。人間が了承すれば、コンピュータが実行。
(6) コンピュータは一つの案を人間に提示。人間が一定時間以内に実行中止を指令しない限り、コンピュータはその案を実行。
(6.5) コンピュータは一つの案を人間に提示すると同時に、その案を実行
← 「提示しなくてもいい!」とも思えるが、「提示」するということで、その後の人の行動が安全なものになる。人の状況認識を損なわなくてすむ。
(7) コンピュータがすべてを行い、何を実行したか人間に報告。
(8) コンピュータがすべてを決定・実行。人間に問われれば、何を実行したかを人間い報告。
(9)コンピュータがすべてを決定・実行。何を実行したかを人間に報告するのは、必要性をコンピュータが認めたときのみ。
(10) コンピュータがすべてを決定し、実行。
なんとなく、よくわからなかった「過信・不信の問題がなぜ『問題』なのか」の本質がわかった気がする。
基本的に、すべての状況変動に適切に対応できる「パーフェクト」な機器は設計できない、という前提の上で、「過信」があった場合には機器が対応できな状況に至った時に、なぜ対応しないのか、何が起こっているのかわからなくなる、というオートメーションサプライズが起きたり、状況への対処が遅れたりする。「不信」の場合は「狼少年」になって、機器が無効化されたり、逆に無視していた機械が勝手に何かをして逆のオートメーションサプライズが起きたりする。
過信・不信によって人の状況認知と機械の状況認知に齟齬が生じてきて、それが不安全をまねくということ。
ちょっと考えればわかるんかもしれんけど、この本を読むまでいまいちよく見えなかった。。。
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