2011年7月28日木曜日

組織事故とレジリエンス 人間は事故を起こすのか、危機を救うのか

[タイトル]
組織事故とレジリエンス 人間は事故を起こすのか、危機を救うのか

[著者]
ジェームズ・リーズン (監訳者 佐相 邦英)

[出版社]
日科技連出版社

[出版年]
2010.6.30

[ノートor原著情報]
The Human Contribution: Unsafe Acts, Accidents and Heroic Recoveries
James Reason
Ashgate Pub Co (2008/11/17)

[要約&感想]
システムアプローチから、人のリカバリー能力という点へのパラダイムシフトが行われつつあるのを感じさせる書籍。

リーズン自身も自問自答しているのが印象的。
↓↓
システムアプローチ、ヒューマンエラーは誰でも起こる、エラーの当事者もシステムの不適切さの被害者である、という考え方に基づいて、ひたすらシステムのリストラクチュアリングを志向するアプローチを進めてきたが、それでは限界がある。やはり最後は人のリカバリーがもとめられる。ただ、それは昔の「非難する文化、人に原因を求める文化」への回帰を言っているのだろうか?

リーズン自身は、「そうではない!」ということを主張している。

システムアプローチとヒューマンアプローチは結局は行ったりきたりするものだ、というより上位の視点で考えている。

その上で、両方をうまく融合したマネジメントを進める必要性を説いている。

印象的な点。
・運も大切。最後は運が大きく効いてくる。
・もっとも効果的な事故予防策は「事前の心の構えである」
・技術・技量の向上やシステムの改善は「しなくてよい」というものではない。それらは間違いなく「必要条件」。それらがなければ確実に事故の確率はあがる。ただ、確率であって、それらをしたからといって、偶然の要素から事故は起こりえる。現実は完全には統制しきれず、絶えず摂動が起こっている。

2011年7月8日金曜日

現代の認知心理学2 記憶と日常

[タイトル]
現代の認知心理学2 記憶と日常

[著者]
日本認知心理学会 監修
太田信夫 厳島行雄 編

[出版社]
北大路書房

[出版年]
2011/06

[ノートor原著情報]

[要約&感想]
全体に難解。
認知心理学を専攻する学生に対する大学院での授業などに使うにはいいかもしれないが、
初学者には困難。

ただ、脳科学やニューラルコンピューティングの知見も紹介していたり、
日常的場面での実践知としての記憶の研究を紹介していたりする点は
これまでの他の書籍にはなかった点だろう。

詳しくはHI学会(Vol.13, No.3)に投稿している書評を参照のこと。

[エッセンシャル版]マネジメント 基本と原則

[タイトル]
[エッセンシャル版]マネジメント 基本と原則

[著者]
P.F.ドラッカー (上田惇生訳)

[出版社]
ダイヤモンド社

[出版年]
2001年

[ノートor原著情報]
MANAGEMENT: TASKS, RESPONSIBILITIES, PRACTICES
Peter F. Drucker
1973, 1974.

[要約&感想]
とにかく「自分たちの仕事は何なのか、何のためにあるのか、何であるべきか、何が自分たちの成果か」という問いに向かい合うこと。
突き詰めればこれ。

あと、心に響いた言葉は、
マネジャーに求められる最も大切で、最も得難い資質は「真摯さ」である
ということば。

この真摯さという言葉に、仕事をする上での心構えの全てが現れている気がする。
自分に対して真摯である
仕事に対して真摯である
仲間に対して真摯である
社会に対して真摯である
とにかく、これを忘れないようにしなければならない。