[タイトル]
ヒューマンエラーと機械・システム設計
[著者]
柚原 直弘、稲垣 敏之、古川 修 編著
[出版社]
講談社サイエンティフィク
[出版年]
2012年
[ノートor原著情報]
[要約]
(前半)
最初にヒューマンエラーの考え方を概説した後、
「人はエラーをおこすもの」という前提にたった機械システムの設計の進め方の解説をする。
特にリスクアセスメントの進め方や、具体的な設計にあたってのエラー防止のための設計を実現するための原則が解説される。
その後、自動化システムとのインタラクションという観点からの設計が示される。
(後半)
自動車、航空、鉄道、原子力、船舶、医療という代表的なマン・マシン・システムを取り上げて、具体的に事例に基づいた機械システム設計が紹介される。
[感想]
「安全のための設計」を考える段に当たっての教科書という点では非常によくまとまっているように思った。
また、各マンマシンシステムが紹介されていて、それぞれの特徴を対比的に見ることができるので、一度読み通して振り返ってみると、それぞれの違いが分かって面白かった。
この本はあくまで「人はエラーを起こすもの」という前提にたって、「設計」というフェーズで何をすべきかをまとめている。あくまで「設計」というフェーズ。
一方で、こういう考え方で設計しても、すべてのスレットを除去し切るのは難しい。
となると、スレットが紛れているという前提で「運転」「管理」「メンテナンス」という「実務」のフェーズでは、「スレットを見つけて、それに対する構え・備えを立て、エラーを防ぐのも人」と「エラーが起こっても事故につなげないように構え・備えを立てるのも人」という、別の人間観で日々の仕事を組立たりマネジメントすることが必要だろう。
こっちの話はどちらかという工学というよりは、経営学(組織管理、経営管理)の話だろう。
もちろん、これは設計フェーズの話ではないのだが、安全管理全体を眺めたときには、設計だけがすべてではないと思うべき。